【日本市況】株式は反発、債券は中長期債が堅調-米大統領選を見極め
債券
債券相場は中長期債が堅調。米大統領選前の持ち高調整で米長期金利の上昇が一服したことを受け、買いが優勢となった。一方、政府の財政支出拡大への懸念から超長期債は下落。新発40年物国債の利回りは一時2.565%と2008年8月以来の高水準を更新した。
アクサ・インベストメント・マネージャーズの木村龍太郎債券ストラテジストは、米長期金利の前週末の上昇が大きくなったが、前日は大幅に戻し、祝日開けの債券市場は落ち着いていると指摘。一方、 国民民主党の玉木雄一郎代表による高圧経済の余地があるとの発言を受け、金融緩和の維持と財政拡張の組み合わせで利回り曲線にスティープ(傾斜)化圧力が強まりやすい流れが続いているとも述べた。
岡三証券の長谷川直也チーフ債券ストラテジストは、米大統領選の結果はふたを開けてみないと分からないが、トランプ氏が勝利してトリプルレッドとなれば、初期反応は金利上昇、ハリス氏勝利ならその逆で金利低下だとし、「大差がつかないと東京時間では反応が難しい可能性がある」とみている。
新発国債利回り(午後3時時点)
外国為替
東京外国為替市場の円相場は一時1ドル=152円台半ばに下落。米大統領選を前に共和党のトランプ氏の勝利を見込んだ米金利高・ドル高の調整は一巡。金融機関が外為取引の基準レートとする公示仲値の設定に絡んだドル需要が円を押し下げる動きが見られた。
三井住友信託銀行米州部マーケットビジネスユニットの山本威調査役(ニューヨーク在勤)は、トランプ氏が勝利するとドル高が進展するとの期待もあり、「下がったらドルを買いたいというニーズはありそうだ」と話した。
オーストラリア・ニュージーランド銀行外国為替・コモディティ営業部の町田広之ディレクターは、円相場の下落は仲値に向けた需給が主導したと分析。民主党のハリス副大統領の巻き返しによるトランプトレードの巻き戻しは「前日の海外時間で一巡し、152円台は結果を受け上下に動くことができるいい水準」で、トランプ氏勝利ならドル高・円安、ハリス氏勝利ならドル安・円高になると予想した。