エアバス、航空機製造部門トップに独MTUのワグナーCEO指名
Tim Hepher [パリ 30日 ロイター] - 欧州航空機大手エアバスは30日、同社最大の事業である航空機製造部門の最高商業責任者(COO)であるクリスチャン・シェーラー氏の後任として、ドイツのエンジンメーカー、MTUエアロ・エンジンズのラース・ワグナー最高経営責任者(CEO)を起用する人事を発表した。就任は2026年。 MTUは声明で、ワグナー氏が30日に取締役会で、来年12月31日に満了する契約を更新しない意向を伝えたと明らかにした。 エアバスのギヨム・フォーリーCEOは、この後継者計画は円滑な引継ぎを行うための時間的余裕を与えるもので、交代の時期は不明だが、MTUはワグナー氏が任期を全うするとしていると説明した。 フォーリー氏は記者団に対し「ワグナー氏は業界で最も強力な幹部の1人だと考えている」と評価し、厳しい環境下での生産拡大を実現にするために引き続きシェーラー氏と効率的に協力していると述べた。 ワグナー氏はエアバスでインダストリアルマネージャーを務めたことがあり、MTUを含む米プラット・アンド・ホイットニー(P&W)との提携の下でエアバス向けに製造している新型「ギアード・ターボファン」エンジンの生産と供給を巡る危機に見舞われた激動の時期に、MTUで役職を歴任してきた。 エアバスによると、取締役会は来年任期が満了するフォーリー氏の3期目を提案することを決定した。 この日発表した2024年第3・四半期決算は、調整後営業利益が前年同期比39%増の14億0700万ユーロ(15億3000万ドル)となり、市場予想を上回った。 売上高は5%増の156億8900万ユーロ。 エアバスは、中・大型機「A350」について来年の増産計画に影響を及ぼしかねない特定のサプライチェーン(供給網)の問題に対処していると明らかにした。ロイターは今月、エアバスが米航空機部品大手スピリット・エアロシステムズからの供給に対する懸念に直面しており、来年のA350を含む納入が遅れる可能性が高まっていると報じている。