<解説>いよいよ最新作公開! 劇場版「名探偵コナン」の今
“劇コナ”の愛称で親しまれている「名探偵コナン」の劇場版アニメ。最新作「100万ドルの五稜星(みちしるべ)」が4月12日に公開される。ほぼ毎年公開され、長年にわたって愛されてきたヒットシリーズだが、前作「黒鉄の魚影(サブマリン)」で初めて興行収入が100億円を突破するなど、近年さらなる盛り上がりを見せている。アニメコラムニストの小新井涼さんが、ヒットの理由を解説する。 【写真特集】話題! 「まじっく快斗」7年ぶり新作! 新シリーズ開幕 新キャラも!
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昨年公開の「黒鉄の魚影」で、ついに興行収入100億円の大台を突破した劇場版「名探偵コナン」シリーズ。その最新作、劇場版「名探偵コナン 100万ドルの五稜星」がいよいよ4月12日に公開を迎えます。
元々子供から大人まで高い人気を誇り、25年以上毎年のようにヒットを生み出してきた本シリーズですが、毎回興収100億円が視野に入るようになってきたのは実はここ5、6年程の話です。盛り上がりを眺めてきた人の中には、「最近のコナンなんかすごいな」と思いつつ、なぜ急にそんなことになったのかについてはイマイチピンときていない人も多いかもしれません。その背景には、一体何があったのでしょうか。
要因としては、劇場版シリーズを取り巻くいくつかのポイントが考えられます。具体的には、(1)「純黒の悪夢(ナイトメア)」以降の更なる盛り上がり、(2)本作を含めた劇場版アニメ全体のブーム、そして(3)年々力の入る作品公式側の動き、の3点です。
当シリーズが初めて興収50億円を突破し、その後毎年興収50億円を超えるメガヒットを生み出し続けるようになった先駆けは、2016年公開の「純黒の悪夢」でした。ここで大きかったのが、本作で活躍する安室透や赤井秀一の存在が広く知れ渡り、元々少なくなかった毎年劇場版「名探偵コナン」を鑑賞する層が、より一層拡大したことだと思います。「純黒」時点で既にテレビシリーズにも登場していた安室や赤井ですが、ここで普段作品を追っていなかった層にまでその存在が知られ人気を生んだことで、新たな層が改めて“劇コナ”に足を運ぶための後押しとなっていたのです。