「正論を言う」リーダーが部下から慕われにくい訳 4月、新たに「マネージャー」になった人たちへ
■メンバーや部下の仕事の扱い 信頼関係をどのように構築すればいいのかわからない メンバーの強みがわからず、うまく引き出してあげることができない あなたは、チーム全員の仕事の分担をどのように決めるのがいいと思いますか。 リーダーが正しく業務の洗い出しを行い、目標や業務計画をきちんと立てて、メンバーの分担を事細かに決めてあげる。それが一番早くて、合理的。それこそがリーダーシップを発揮することである。そんな考えを持っていませんか。
それは一見、正しいように感じられると思います。 しかし、多くの人は、自分で考えたり決めたりすることにモチベーションを感じます。人から一方的に押し付けられるのは嫌なもの。いわゆるやらされ感です。私が本気で変わろうと考えて、周りを見るようになったとき、少しずつそのことに気づきました。 するとまずは、すぐ近くの部署に、「こんなリーダー、上司になりたい」と思えるようなマネージャーの存在に気がついたのです。
その人のもとには、部下たちが入れ替わり立ち替わり相談に行っていて、さながら“行列のできるマネージャー”といった体でした。しかも、相談に行く部下は誰もが、笑顔でそのマネージャーと話をしています。 そして、部下が「これはこういうふうにやろうと思うのですが、どうでしょう?」と持ち掛けると、そのマネージャーは「いいよ、いいよ、思ったようにやればいいよ」と、何にでもOKを出しているように見えたのです。 それは、私が経験したことのない光景でした。
まず、部下が自ら私に相談に来ることは、あまりありませんでした。 それに、私に笑顔で話しかけるようなこともありません。また、私自身が部下に対して、そんなに明るく、GOサインを出してはいませんでした。 「人には感情がある」となかなか気づけなかった私でも、やはり部下に嫌われるのは気持ちのいいものではありません。“部下に嫌われ続けるマネージャー人生”なんて嫌だなと、素直に思いました。 そのとき、後輩に言われた「人には感情があるんですよ。園部さん、そんな簡単なこともわからないんですか!?」という言葉の意味が、少しわかるようになりました。