“異世界感”が若者を魅了、大正ロマン漂う洋館「揚輝荘」 地下約9メートルに謎の「巨大トンネル」も存在
名古屋市千種区覚王山の静かな高級住宅街に佇む揚輝荘(ようきそう)。松坂屋の初代社長・伊藤次郎左衛門祐民(じろざえもんすけたみ)が、大正から昭和初期にかけて建てられた別荘&迎賓館です。覚王山の丘陵地の1万坪に、建物と庭園がつくられ、その大正ロマンあふれる佇まいに“知る人ぞ知る観光スポット”として人気を集めています。 【動画】洋館の謎のトンネルに潜入!! 総延長170メートルの巨大地下空間は何のため? そんな揚輝荘の敷地内にある迎賓館「聴松閣」には、地下の地下にトンネルがあるとのウワサが! さっそく建物内を散策しながら、その“謎のトンネル”の秘密を探りました。
揚輝荘には英国様式の応接室から日本庭園が見渡せる和室、暖炉のある広々とした食堂まで、豪華な施設が揃っています。それもそのはず、揚輝荘は旧皇族や各界の要人・文化人を迎える重要な場所でした。現在は博物館として公開されており、多くのお客さんが足を運びます。
まさにワンダーランド!「揚輝荘」に広がる魅惑の地下空間
来館客の誰もが興味を引かれるのが、地下の多目的室(旧舞踏場)です。階段を下りると石造りの壁に囲まれた異国情緒あふれる空間が広がります。 揚輝荘の異世界のような空間は、伊藤次郎左衛門祐民が東南アジアやインドを旅して感銘を受けた経験をもとに、大改造されたもの。インドの美術研究家を呼び寄せ、現地の壁画を再現するなど、細部にまでこだわりが詰まっています。
レトロな魅力と異世界感 若者たちを惹きつけるスポットに
揚輝荘の地下空間は、その独特な雰囲気で多くの若者たちを魅了しています。東京から訪れたカップルも、レトロな写真を撮るためにこの場所を旅のルートに選んだそうです。 この空間は、かつて「舞踏場」として使用されていた場所。現在では予約をすれば、この不思議な地下空間を貸し切りで利用することが可能です。
この日撮影していたのは、名古屋大学のよさこいサークルの学生たち。異国情緒あふれるワクワク感や、名古屋の街とのギャップに魅了され、揚輝荘をテーマに「にっぽんど真ん中祭り」で踊る演舞を作ったといいます。
謎の地下トンネルがある!?
揚輝荘には、お客さんの興味をそそるもう1つのポイントがあります。それが、地下1階のさらに地下に存在する「謎のトンネル」です。普段は非公開のトンネルですが、今回は特別に許可をいただき、潜入させてもらえることに! 地下約9メートル、28段の階段を下りると行き止まりになります。かつては総延長170メートルもありましたが、マンション建設のためにほとんどが埋め立てられてしまいました。
トンネルの先には直径6.5メートルのドーム型スペースがあり、その出口の痕跡は千種区の住宅地の一角にひっそりと残されています。揚輝荘から大通りへとつながっていたこのトンネルの目的は、いまだに明らかになっていません。 しかし、秘密のトンネルが名古屋の一等地に設けられていたこと自体にワクワクしますね! ぜひ気になった方は揚輝荘を訪れてみてください。
愛知のニュース