世間体を気にした? 鹿児島県警が異例の公表、警察官延べ38人を処分…でも会見は拒否
発表の背景には、一連の事件を巡り、県議会総務警察委員会などでもたびたび取り上げられてきたことがある。7月の閉会中委員会では鹿児島中央署に被害を届け出た強制性交事件への質疑があり、県警幹部が「(告訴状の)受け渋りと捉えられても仕方のない対応で、真摯〔しんし〕に受け止めたい」と釈明する場面もあった。 野川明輝本部長は5日付で警察庁長官官房付に異動する。今回の大量処分のタイミングを問われた県警側は「調査結果がまとまったため」などとして、異動との関連性は否定した。 鹿児島南署に詐欺被害を相談した女性は「公表内容を聞かされておらず、全く被害者に寄り添おうとしていない」と話した。鹿児島中央署で告訴状の受け渋りにあった女性は「組織の判断で受け取りを拒否したと思う。現場の警察官に責任を押しつけているようで残念だ」とコメント。代理人の藤村元気弁護士は「処分は重くない。世間体を気にした対応と受け止めざるを得ない」と非難した。
発表に当たり、県警はカメラ撮影を認めない記者レクチャーとし、会見開催を拒んだ。報道各社が「会見という開かれた場で説明すべき」と重ねて申し入れたが「組織的な判断」として覆さなかった。
南日本新聞 | 鹿児島
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