尖閣諸島の警備強化へ、海上保安庁初のヘリ集約整備センターが鹿児島市・七ツ島に完成 国内最大給油施設も
第10管区海上保安本部は31日の定例会見で、鹿児島港谷山2区(鹿児島市七ツ島2丁目)に、ヘリコプターを集約し整備する七ツ島運航支援センターと、船舶燃料給油施設(容量7000キロリットル)が完成し、本格運用を始めたと発表した。センター設置は全国初で、給油施設は国内最大規模。 【写真】(別アングル)鹿児島港谷山2区に完成した七ツ島支援センターと船舶燃料給油施設(第10管区海上保安本部提供)
センターの核は、大型巡視船に搭載するヘリの格納庫。巡視船基地に隣接しており、効率的な整備と迅速な出動を図る。巡視船はこれまで、海上でタンカーから燃料を給油していた。燃料施設を設置したことで、不測の事態でも安定した給油ができる。 同港にはヘリ搭載型大型巡視船の配備が相次ぎ、2019年から23年までに5隻が投入された。中国船が領海侵入を繰り返す沖縄県・尖閣諸島周辺の警備強化に伴うもので、今回の設置は大型巡視船の機動力を高めるのが狙い。10管は同4月、巡視船の点検や修理を担う船舶技術部を新設した。 海上保安庁は、民間資金を活用した社会資本整備(PFI)を導入し、民間10社のグループと事業契約を結んでいる。事業費は44年3月末までの維持管理、運営費を含め約110億円。 10管の赤松宏樹本部長は「さらなる尖閣領海警備体制の強化や大規模・重大事案の同時発生に対応する」と話した。
南日本新聞 | 鹿児島