ドリス ヴァン ノッテン最後のランウェイショーに拍手喝采!
ファッション界の詩人と呼ばれ、花や色を駆使して魅力的な服を作りだしてきたデザイナー、ドリス・ヴァン・ノッテン。デザイナーとして最後のファッションショーはパリ近郊で盛大におこなわれ、モード史に残る感動の瞬間となった。 ドリス・ヴァン・ノッテンのラストショー、全ルックを見る 今年の3月、ドリス・ヴァン・ノッテンは「友人たちに宛てた」感動的なレターを公開し、1986年に自ら設立したブランドのデザイナーを退任すると告げた。それは本人によれば「悲しくもあり、うれしくもあること」。ドリス・ヴァン・ノッテンは1980年代のファッション界に革命を起こしたベルギーの「アントワープの6人」のひとりだ。パリのファッションウィークではいつも、花と色と夢にあふれる素晴らしいショーで人々を魅了してきた。66歳のデザイナーは昨晩、2025年春夏メンズ・コレクションで友人たちやブランドを愛する人々にお別れの挨拶をした。
6月22日の晩、パリ郊外のラ・クルヌーブにあるバブコック社工場跡地に人々が続々と集まってきた。ここではかつてボイラーが製造され、この地域の経済を担っていた。そんなユニークでクールな場所はアントワープ出身のデザイナーにふさわしい。RER B線沿いにあるコンクリートの建物は2004年10月にも、デザイナーにとって第50回目の記念すべきファッションショーの会場として使用されたことがある。その時はクリスタルのシャンデリアの下に全長140メートルの祝祭テーブルが設置され、驚く招待客の前でテーブルがランウェイと化した。
多くのデザイナーが来場
昨晩のショーは華やかなカクテルパーティー形式でおこなわれた。約900人の招待客を迎えた会場内にはいくつもの巨大ビデオパネルが設置され、アントワープの巨匠の生い立ちや、今回で129回目となるこれまでのファッションショーの映像が流れていた。ポップスターや人気女優とはあまり縁がないブランドらしく、会場ではファッションデザイナーが目立った。アントワープ王立芸術アカデミー時代の同級生であるウォルター・ヴァン・ベイレンドンクやアン・ドゥムルメステール、そしてトム・ブラウン、ヴェロニク・ニシャニアン、帽子デザイナーのスティーブン・ジョーンズ、ハイダー・アッカーマン、ピエールパオロ・ピッチョーリらが来場。ヴィーナス・ウイリアムズや俳優のノーマン・リーダスもいた。シャンパンがなみなみと注がれる。会場は和やかな空気に満ちながら誰もがハイテンションで、なかなかいい雰囲気となっていた。