火災なぜ拡大…輪島の朝市 現地調査した日本火災学会のメンバーに聞く 【#みんなのギモン】
■都内にも木造建物の密集地 直下型地震で火災による被害想定は11万2232棟
徳島キャスター 「続いてのポイント『住宅密集地 全国各地』をみていきます。こうした住宅が密集する地域は全国各地にあって、どこでも起こりうることです。例えば東京都内でも古い木造建物が集まる地域があります。東京都が発表した首都直下地震で、火災による物的被害の想定は11万2232棟となっています。そして、焼失する数が100棟を超える場所と想定されているのが、23区の東側の足立区や江戸川区などで、西側でも世田谷区や大田区などで火災による被害が甚大になると想定されています」 刈川くるみキャスター 「怖いですよね。廣井教授、初期消火ということで住民が消火に当たるべきか、広がってしまったら諦めるべきか、そのあたりは状況によると思うのですがどう対応していけばいいのでしょうか?」 廣井教授 「まさに状況によりますよね。同時多発でまわりにたくさん火災が発生していたら、やはり命のことを考えて早めに避難する。ただ諦めが早すぎると消火のチャンスがないわけですから、被害が広がってしまうということになります」 「重要なのは常備消防、公設消防、消防隊の消火がなかなか追いつかないんですよね。例えば、運悪く冬の夕方とかに火災や大きな地震が発生すると、何百軒も出火すると予想されています。そうなるとなかなかポンプ車の数が足りないと。今回、輪島では1軒からの火災でここまで燃えてしまいました。そういった意味では、初期消火をきちんとするだけではなくて、火災に強い建物に建て替えるとか、出火防止対策をきちんとすることが、とても重要なのではないかと思います」 藤井キャスター 「復旧の上ではそういうことも考えてやらなければならないということですが、まだそのフェーズにはないかもしれないですね」 徳島キャスター 「そうですね。今後、考えていきたいところです」
■通電火災 停電からの復旧時に注意!
徳島キャスター 「そして被災地では、今後も火災のリスクがあります。11日午後4時現在、能登半島北部では1万3000件以上の停電が続いていますが、停電が復旧した際には『通電火災』に注意が必要です。通電火災とは、電気が再び流れた時に起きる火災で、例えば地震の落下物で電気コードが切れていると発火することがあります。こうしたことを防ぐためには、ブレーカーを切っておくことが大切です。一方でそのために今、避難所から自宅に戻るなどというのは違った危険を伴いますので行わないようにしてください」 藤井キャスター 「廣井教授、この通電火災を防ぐためにはブレーカーが落ちていることが大切だと思いますけれども、通電する時に、みなさん避難所がバラバラになっていますので、住民のみなさんに伝えるわけにはいかないですよね。この点はどうしたらいいんでしょうか?」 廣井教授 「なかなか一人ひとり確認して通電を確認するというのは復旧を遅らせる要因にもなりますよね。そういった意味では感震ブレーカーのような、揺れを感知して自動でブレーカーが落ちるような出火防止対策を組み合わせる必要があるのではないかと思います」 藤井キャスター 「今後の復旧がどのように進んでいくのか、1つ目指していくべきところですが、火災に強いまちづくりをしておくというのも今後、必要なのかもしれませんね」 (2024年1月11日午後4時半ごろ放送 news every.「#みんなのギモン」より)
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