【有馬にかける男たち④】幸英明騎手「毎年乗りたいレース」 4年連続参戦のディープボンドで2年ぶり挑戦
グランプリに臨むジョッキー連載の最終回は、ディープボンドで参戦する幸英明騎手(48)=栗東・フリー。JRA年間最多騎乗記録を保持するベテランながら、有馬記念は2021年(アカイイト7着)が初騎乗と、最近まで縁がなかった。4年連続参戦の7歳馬で挑む、2年ぶり3度目の挑戦。胸の内に迫った。 ◇ 豊富な経験を大一番で生かす。デビュー31年目の幸騎手が有馬記念に寄せる思いは、熱かった。 「騎乗馬がいれば毎年、乗りたいと思っているレースですね」 ジョッキーとしてはベテランの域に入っているが、有馬記念初騎乗は2021年(アカイイト7着)と最近まで縁がなかった。22年も同馬で参戦して15着。勝利こそならなかったものの「他のレースと違って、お客さんの盛り上がりはすごかった」と独特の雰囲気に魅了された。 ディープボンドとは今春の天皇賞からコンビを組む。「すごく乗りやすくて操縦性もいい馬」。7歳馬でも前走の京都大賞典ではアタマ差の2着と力走し「あとひと押しでした」と衰えぬ底力には手応えを感じている。 今年8月には武豊騎手に続く現役2人目となるJRA通算2万4000回騎乗を達成するなど、関係者の信頼は厚い。4年連続出走となる相棒に「不安なところもなく、折り合い面の心配もない。長くいい脚を使ってくれる」と大いに期待を寄せる。7歳馬が勝てば、1970年のスピードシンボリ以来54年ぶり。ベテランコンビが、記憶にも記録にも残る一戦にしてみせる。(北池良輔) ■幸 英明(みゆき・ひであき) 1976(昭和51)年1月12日生まれ、48歳。鹿児島県出身。94年3月に栗東・谷八郎厩舎からデビュー。2003年にスティルインラブで牝馬3冠を達成。10年にJRA史上初の年間騎乗1000回に到達。12年には現在も年間最多騎乗となる1081回を記録。18日現在、JRA通算2万4340戦1699勝(重賞はGⅠ8勝を含む47勝)。167センチ、50キロ。