春節2015 香港の正月を堪能する(2)── 新年幕開けの日を祝う
日本では、お年玉は正月に子供がもらうものだが、中国では、子供だけでなく、職場の部下など普段お世話になっている人に幅広くお年玉をあげる文化だそうだ。これじゃいくらお金があっても足りないだろうと心配していたら、現地在住の20年で、香港人の妻を持つ日本人ガイドは「だいたい、20香港ドル(約300円)くらいです。私も旧正月が終わったら職場で配りますよ」と教えてくれた。
日本人のお年玉の相場よりも少額のため気軽に多くの人に渡すことができる。いつでも渡すことができるように、皆、この時期は常にポケットなどにお年玉を忍ばせているのだそうだ。
15万人を魅了するナイトパレード
19日春節の晩、獅子舞や山車が街中を練り歩く「キャセイパシフィック 旧正月インターナショナル・ナイト・パレード」を見に行った。このイベントは今年で20回目。34のパフォーマー集団が香港文化センターの裏からスタートし、廣東道(Canton Road)や彌敦道(Nathan Road)といった九龍のメイン通りを1kmほどパレードする。
香港や中国本土の団体だけでなく、アメリカ、ロシア、フランス、韓国など11の国と地域から様々な団体が参加しているので、様々なパフォーマンスを見ることができた。日本からも沖縄の団体が参加。パレードを最前列で鑑賞したい人々が数時間前から歩道と車道を分ける柵の前で待っているのが見受けられた。観客の数は15万人にのぼった。
中国の獅子舞は「ライオン・ダンス」と呼ばれ、その獅子は日本のそれと違って、黄色や黄緑、白などカラフルなのが特徴的だ。大きな目はパチパチとまばたきをすることもあり、表情豊かでどことなく可愛らしい。人の背丈以上の高さで、人の足1つ分しかない台の上を軽快に移動するパフォーマンスで魅せる獅子もいた。
パレード中、ストリート沿いには移動がスムーズにはできないほど、人が集まっていた。各ポイントでは、パフォーマーがその場に留まり、時間を掛けてパフォーマンスを披露する。 スタート地点付近では2000人ほど座ることができる特設スタンドが設置され、チケットがあれば指定された座席からパレードを見ることができる。ここが一番力が入っており、パフォーマンスごとに照明が変わったり、花火が散ったりと、さながらショーを見ているようだった。 パレード後は観客だけでなくパフォーマーたちもお互いを労うように思い思いの場所で自撮りをしていて、日本の正月とは違った熱気とその余韻を感じた。