申から酉へバトンタッチ 通天閣で恒例の干支の引き継ぎ
「申」と「酉」がひと足早くバトンタッチ
申から酉へバトンタッチ 通天閣で恒例の干支の引き継ぎ 撮影・編集・音楽:柳曽文隆 THEPAGE大阪
大阪市浪速区の通天閣で27日、年の瀬恒例の「干支(えと)の引き継ぎ式」が行われ、今年と来年の干支「申(サル)」と「酉(トリ)」が対面し、中村芝翫ら歌舞伎役者が見守る中、ひと足早いバトンタッチを行った。
通天閣などで活躍するサルと天王寺動物園「奇跡のニワトリ」登場
この引き継ぎ式は、現在の2代目・通天閣が完成した1956年から行われている恒例の行事。本物の動物同士が世相をテーマに対面・対談し、この一年の反省と来年の抱負を談話発表のスタイルで語り合う場として行われているが、毎年ゲストによる「ダジャレ」を用いた口上が名物のひとつとなっている。 今年は、通天閣の「猿まわし劇場」や神戸フルーツ・フラワーパークの「神戸モンキーズ劇場」(神戸市北区)などで活躍するサルの菊千代、ハル、よもぎの3頭が登場。そして、通天閣にほど近い天王寺動物園(大阪市天王寺区)からは、元々イタチ捕獲用や肉食獣用のエサとして同園に来たものの、食べられることなく成長を続け、エサから一転「幸運のニワトリ」として同園の人気者となったマサヒロとヨシトの2羽が舞台に現れた。 ゲストには、歌舞伎の重要な名跡「芝翫(しかん)」を八代目として襲名し、来年1月2~26日に大阪松竹座(大阪中央区道頓堀)で開幕する襲名披露公演を行う、中村橋之助改め中村芝翫(51)と、同時に襲名した息子の橋之助(20)、福之助(19)、歌之助(15)が登場し、会場は歓声と拍手に包まれる。
「サル(去る)年は追わず前向きに来年を」
主役がそろったところで、引き継ぎ式がスタート。まずは、申の口上人である通天閣観光の西上雅章社長(66)が「スマートフォンゲームの歩きスマホ急増や国民的アイドルグループ解散騒動と、気持ちがくサル(腐る)年でした」「みんなモンキー(文句)いわんといて。サル(去る)年は追わず前向きに来年を迎えましょう」と述べた。
「日本の元気をトリ(取り)孵す(返す)ぞ」
これに対し、酉の口上人である芝翫は「飛ぶ鳥を落とす勢いで幸福と繁栄をトリ(取り)込み、世の中が色トリドリ(取り取り)の幸せにうっトリ(うっとり)包まれますように」「日本の元気をトリ(取り)孵す(返す)ぞ」と述べると、会場からはわれんばかりの拍手が沸き起こり、終始にぎやかな雰囲気に包まれていた。