JR東日本がAIによる音声注意喚起を実験導入! エスカレーターの「歩行規制問題」を考える
JR東日本が埼玉の大宮駅でエスカレーターの歩行をAI技術で抑制する実験を実施中。ただ、歩いている人も多いし、突然立ち止まるのも......。というわけで、アンケートや規制する側の声を聞き、この問題について考えてみた! 【アンケート】「エスカレーターの歩行問題」の回答 * * * ■歩くと何が危険なのか!? JR東日本が10月28日から12月4日まで、埼玉のJR大宮駅でエスカレーター安全利用促進に向けた実証実験を施行中。カメラやAI技術を利用しエスカレーターを歩行する人への注意喚起を行ない、片側をあけて利用する慣習から「非歩行2列乗車」へと変えていくのが狙いとのこと。 だけど、まだ歩いている人多くない? みんなはこの「エスカレーターの歩行問題」をどう考えている? アンケートや規制する側の声を聞いてあらためて考えてみた。 まずは、エスカレーターの歩行の危険性から。日本エレベーター協会に聞いた。 「最新のデータは2018年1月から2019年12月までの調査によるもので、この2年間では1550件のエスカレーターでの利用者災害発生が報告されています。 主な災害は『転倒』『挟まれ』『転落』の3種類に分類できますが、そのうち『転倒』が62%を占め最多。原因のほとんどが『乗り方不良』であり、その中には『歩行』も含まれています。 なお、エスカレーターでの利用者災害が発生しやすいのは『交通機関』で、『ショッピングセンター』や『屋外環境』などを上回っています」 でも、階段状になっているから、つい歩いてもいいような気がしてしまうけど......。 「そもそもエスカレーターは歩くことを前提に造られておらず、その構造は建築基準法で規定された『階段』の基準を満たしていません。つまり安全に歩行できる場所ではないため、転倒の危険があることはもちろん、周辺同乗者を巻き込んだ場合は賠償責任が発生する可能性も考えられます」 まずは「エスカレーターはそもそも歩く場所ではない」と認識するのがこの問題を考える始まりのようだ。 ■エスカレーターの慣習いまさら変えられる? だが、全国の20代から50代の男性100名にアンケート調査を行なったところ、「エスカレーターの歩行が規制されていることを知っている」と回答したのは57%とおよそ半数。 さらに「エスカレーターを歩くことがある?」に対し「いつも歩く」が16%、「たまに歩く」が56%、「歩かない」は28%にとどまった。急いでいるときなどは歩いてしまう人がやはり多い。 そして、「エスカレーターの両側がふさがれていてイラッとした経験がある」と答えた人は54%と半数以上存在。両側に立ち止まって乗ることは本来正しいのに、周囲からの圧力が発生することが慣習を変える難しさにつながっていることもうかがえた。