心疾患患者の重症化防げ 生成AI活用した運動管理の実証実験スタート 千葉市
千葉市とNTTコミュニケーションズは、心疾患患者を対象にデジタル技術を使って運動習慣の定着を促す実証実験を始めた。心拍数などを計測するスマートウオッチを活用し、生成AI(人工知能)を使ったフィードバックで健康意識を向上させ、心疾患の重症化を防ぐ。実験は来年3月28日までで、得られた知見を基に市の健康施策に生かす。 先進技術やデータを活用し、地域の課題を解決する「スマートシティ」の実現に向けた実証事業の一環。日本人の死因の2位となっている心疾患は、再発を繰り返しやすく、病床の圧迫や医療費の増大につながるため、重症化予防に向けた取り組みが欠かせない。 今回の対象は医療機関の許可を得た市内在住・在勤の心疾患患者50人で、それぞれにスマートウオッチを貸し出し、心疾患患者に特化した運動習慣を獲得するアプリ「みえるリハビリ」で、ランニングの時間や距離といった運動データや、日々の血圧や体重を管理する。 同アプリでは専門家が監修した行動変容を促す生成AIのフィードバックシステムを採用。例えば、映画好きな人であれば、「30分頑張ったら好きな映画を見よう」や、「映画のように街をおしゃれに早歩きで散歩し、主人公になった気分になろう」など、それぞれの趣味や嗜好(しこう)に合ったアドバイスで、運動のやる気を引き出す。 神谷俊一市長は7日の記者会見で「運動目標の達成状況や、行動変容に対する効果を検証し、健康増進に向けて取り組んでいく。市民や事業者の皆さんと一体となって新しい技術を活用した課題解決を図り、快適な街づくりを進めていきたい」と話した。(松崎翼)