働く意義見つけよう 富山県の上市高で「キャリバイト」開始
富山県の上市高校は29日、キャリア教育の一環の取り組み「キャリバイト」を本格的にスタートさせた。「キャリア」と「アルバイト」を組み合わせた造語で、生徒に就労経験を通じて働く意義を深く考えてもらう。この日は、上市町や近隣市町の事業所の求人票が校内に掲示され、生徒たちがじっくり読み込んでいた。 生徒に将来について考え、職業観を養うことにつなげてもらう目的で、2023、24年度の試行実施を経て導入した。上市高ではアルバイトは許可制。キャリバイトは全校生徒が対象で、働いて賃金を得る。 小売りや飲食、福祉、事務、建設など20件の求人票が生徒玄関に掲示された。情報ビジネス分野の3年生、松本悠希さん(17)は「アルバイトをしたことがないので就職の一助になる」と話した。 希望する生徒は応募フォーム(QRコード)からキャリバイトに申し込み、学校が求人先とつなぐ。就労条件や保護者の承諾の確認も行い、応募多数の場合はセレクションもある。
前原五輪雄校長は「卒業後の早期離職防止が当初の目的だったが、生徒が地域を好きになることにもつながってほしい。キャリア教育は総合学科だからこそできる特色だ」と話した。 この日は、PTAと生徒が学校の魅力向上を語り合う「チャットちゃっと上市」も開催。町が県に「キャリア教育高校」への校名変更を求めることもテーマの一つになった。「既にキャリア教育は上市というイメージがある」などと校名変更に賛否の声があった。