高さ40mから「SNS心中」も奇跡の生還 26歳女が法廷で語った恨みと生かされた意味
女は元交際相手を刃物で刺し、その後、市営住宅の14階から飛び降り自殺を図った。それも1人ではなく、X(旧ツイッター)で出会ったばかりの女性とともに。地上からの高さは約40メートル。相手は死亡したが、女は奇跡的に生き残った。一時入院したが回復後に殺人未遂と自殺幇助(ほうじょ)罪などで起訴され、10~11月、大阪地裁の法廷に立った。裁判長が「まだ続くのか」と牽制(けんせい)するほど長々と語ったのは、元交際相手への恨み節と、生かされた意味だった-。 【年代別でみる】 「SNSのほうが自分らしくいられる」と思う割合 ■わずか半日で 10月21日に開かれた裁判員裁判の初公判。被告の女(26)は介添えや車椅子を必要とせず、自らの足で法廷に姿を見せた。 罪状認否では「間違いありません」とはっきりとした口調で述べた。左ひじと右足首に骨折した後遺症があるというが、一見しただけでは約1年前に14階もの高さから飛び降りた影響を感じさせなかった。 《本気で一緒に死んでくれる人いないかな》 令和5年8月1日、被告はXにこう投稿した。 《1人じゃ飛び降りるの怖くて。もしよかったら一緒にどうですか》 すぐさま面識のない20代の女性から反応があった。 同月5日午後7時25分ごろ、被告はまず、破局した元交際相手を背後から刃物で襲い、全治約2週間のけがをさせた上で逃走した。向かったホテルで合流したのが4日前にXでやりとりした女性だった。 「(元交際相手への)愛情が憎しみに変わり、殺して自分も死のう」と考えた。1人で死ぬことに心細さを覚え、元交際相手を襲った後に心中する相手を事前にXで募っていたのだ。 「確実に死ねる」と飛び降りる場所も被告が決め、翌6日未明に市営住宅へ移動した。現場で相手の女性は体調不良を訴えたという。生きることへの執着とも考えられ、引き返す最後の機会になり得たが、被告は自販機で買った水を与え、午前3時半過ぎに2人で14階から身を投げた。 ■5分以上の持論