「元カノに誕プレを渡す意味は!?」別れても「まだ好き」元サヤに戻りたいけど「ごめん」苦しくて切ない恋愛漫画に共感の嵐【著者に聞く】
元カレと寄りを戻したい。彼の好きだったところを思い出して、ずっと忘れられないでいる。そんな彼女が元カレと再会――。別れたのに誕生日プレゼントを渡してきた。これは、どういう意味?「読み手の心情によっていろんな捉え方ができる内容と描き方ですごくおもしろい!」「リアルな恋愛ってこういうのあるよね」と女の子から強い支持を集める、あめみくろ(@ammkr2222)さん。少女漫画のようなハッピーエンドな終わりじゃない、生の恋愛を描く新刊「この夜につなぎとめられるだけの愛を込めて」より、元カップルのエピソードを描いた「諦められない女の子の話」を紹介しよう。 【漫画】本編を読む ■別れて半年。元カレと会って「やっぱり、まだ好き」嫌でも実感してしまう 半年前に別れた元カレと会う。彼は「俺、誕生日にめっちゃいいものもらったから」と、彼女に誕生日プレゼントを渡した。「いらなかったら捨てて」と言って。 プレゼントを受け取った彼女は、一縷の望みをかけ「私たち、やり直せないかな」と言った。一度、口にしてしまえば止まらない。 「まだ好き」「忘れられない」「付き合わなくてもいいから」――。 しかし、彼は「もう前みたいには戻れないよ」と言う。本作では別れるまでのエピソードは描かれないものの、嫌いになって別れたわけではない様子から、関係を続けることが困難な状況になったと推測される。彼女に復縁を迫られた彼は「元カノに誕プレを渡す」という意味をネットで調べて愕然とする。 別れたカップルを描いた本作「諦められない女の子の話」の初回投稿には、6.2万いいねがつく。またXには2人が一番幸せだったころの話「幸せだった女の子の話」も投稿されており、こちらには6.9万いいねがついている(2024年9月5日時点)。ユーザーからは、「やばい苦しい」「胸が痛い」などの共感の声とともに「優しさが刺さるんだわ。この場合、付き合った期間の倍、時間がかかる」と、リアルなコメントも集まった。 ■「やり直して欲しい」という思いで読んでも、救われないラストが「リアル」 あめみくろさんの漫画は、ハッピーエンドにはならないことが多い。恋愛の一番いいところと一番悲しいところの高低差、嫌いになれない彼、好きなのに好きと言えない関係、「痛い」「つらい」「悲しい」恋愛模様を描く。そのリアルな恋愛エピソードが詰め込まれた書籍が「この夜につなぎとめられるだけの愛を込めて」だ。 ――恋愛のハッピーエンドじゃない部分に焦点を当てて描くのはなぜですか? 「私自身がハッピーな恋愛をあまりしてこなかった」というのもあるかもしれません。苦しくなるような恋愛漫画をあげたとき、多くの方に共感してもらえたことが描き続けている理由の1つにもなっています。「私だけじゃないんだな」って、救われる気持ちになる人が1人でも増えたらうれしいです。 ――本作はそれぞれの恋愛を重ね合わせて読める映像感のある作品だと思いました。制作するうえで、こだわっているところはありますか? なんとなく「ドラマを観ているような感覚になる漫画にできたらいいな」と思って描いています。内容的にも、大きく体の動きのある漫画ではないので、その分表情をちゃんと見せようと意識はしています。 ――新刊には、このような恋愛のお話が収録されているのでしょうか?見どころを教えてください。 「諦められない女の子の話」はもちろん、同じ雰囲気の漫画が収録されています。見どころは、このカップルの一部始終をまとめて見届けられるところかなと…!あとは、Xにあげていない描き下ろし漫画もあるので、ぜひ読んでいただきたいです。ほかにもいろいろな女の子の恋愛があるので、一番好きなお話、共感できる話を見つけていただけたらうれしいです。 単なる優しさで渡した「誕生日プレゼント」。その優しさは、まだ彼を忘れられない彼女にはつらすぎるものだった――。 取材協力:あめみくろ(@ammkr2222)