電通のDDDチームが消費者と企業の双方に望ましい「消費の好循環」のメカニズムを可視化
電通は、同社の消費者研究プロジェクトチーム「DENTSU DESIRE DESIGN(デンツウ・デザイア・デザイン)=DDD=が、消費者と企業の双方にとって望ましい「消費の好循環」のメカニズムを可視化した、と10月24日発表した。DDDが2021年から定期的に行っている「心が動く消費調査」の最新(今年5月の第8回)結果に基づき、消費と欲求の関係性を分析した。 調査の共分散構造分析によって、どのような欲求が消費の好循環につながるのか、因果関係を明らかにした。共分散構造分析は、観測変数(アンケート調査や観測で得られたデータ)間の共分散(2つのデータの関係)の構造を分析する手法。潜在変数(直接観測できないものの観測データから推定されるデータ)を導入し、因果関係を分かりやすくモデル化する。 第8回心が動く消費調査は、全国の15~74歳の男女に実施し、サンプル数は3000。分析の結果、人間が持つ根源的な欲求のうち、特に「誰かの役に立ちたい、世の中の大切なものを守りたい」と「好きなモノを集めたい、好きな事に没頭したい」という欲求が「新たにやりたいことや、新しいものへの意欲が湧いてきた」という意欲増進につながっていた。
さらに「同じ商品・サービス、または同じブランドや企業の同じタイプの商品・サービスを購入した・購入したいと思った」という企業やブランドへのロイヤリティ(愛着心)を高める方向にも作用していることが分かった。電通などは、今回の分析結果に基づいて、商品・サービスに関する消費の好循環メカニズムを可視化する調査メニューの提供を始める。