障害者の雇用「代行ビジネス」は是か非か、専門家たちが出した結論は? 「働く場を提供」でも「社員という実感はない」
「(2人の証言については)利用企業に関する個別の内容となるので、当社からの回答は差し控えるが、日々のトラブルには利用企業と協力して解決に取り組んでいる。障害者同士のコミュニケーションを一律に禁止するという事実はない。一方、農園で働く皆様から相談があった場合には、当該企業と協議のもと、助言を行うことはある」 有識者研究会の報告書については、ホームページに見解を掲載。 「利用企業に野菜の販路を紹介するなど、活用方法の選択肢を増やす」 「農園長の質向上に取り組む」 「障害者の能力開発について利用企業への啓発、アドバイスをしていく」 などとしている。 ▽取材後記 例えば、女性社員が少ない企業がこれと同じビジネスを使って、雇った女性を農園で働かせていたら、どうだろうか。「わが社はこれだけ女性を雇用している『ダイバーシティー経営』です」とPR。女性たちは品質の良い野菜をどれだけ作っても、売れるわけではないので、昇給することも昇進することもない。でも、最低賃金以上の給料を受け取れるので、「楽な仕事でお金がもらえる」と喜ぶ―だろうか。
最終的には、こう言うのではないか。「バカにするな」と。 「女性と障害者を同列には論じられない」と言われるかもしれない。でも、同じ人間の扱いとしてどうなのだろうか。ビジネス事業者と利用企業には、もう一度そこをよく考えてみてほしい。