「30代は薄毛に悩んでいた…」ブランド王ロイヤル森田社長がリーゼントにした驚きの理由…そして数億円福袋の売れ行きは?
「ブランド王ロイヤル」誕生秘話
ホテルの営業マンから、脱サラして中古不動産の仲介を始めた森田社長。不動産仲介も独特の方法で、1日10件以上の売買契約を達成するまでになったそうだ。2000件の仲介実績でNHKの番組で紹介されたこともあり、最高時は年商60億円という偉業を達成した。 「この不動産ブームで感じたのは『ブーム』の力です。ブームには爆発的なエネルギーがあり、日本中を動かすパワーがある。 そこで、徐々に人気が出始めていた『高級ブランド』に目を付け、海外に買い付けに行き、新作バッグを女性ファッション誌の編集長に持っていきました。 その結果、1200回以上マスコミに出演することになって、『ブランド王』と呼ばれるようになりました」 現在までの流れが見え始め、社長はついにトレードマークの秘密を語り出す。 「人生が落ち着いたからでしょうか。今度は髪の毛も生えてきたんです。“これはいける”と思い、自身を実験台にして独自で育毛の研究を始めました。 『大豆イソフラボンとカプサイシンを一緒に摂ると発毛につながる』と研究論文にあったので、キムチを乗せた豆腐や納豆を毎日食べるようにしたり、洗いすぎと界面活性剤がよくないともいうので、洗髪は2日に1回、シャンプーではなく石鹸を使うようにしたり。 おかげでフサフサになっていきましてね。伸びた髪を切るのが忍びなくて、整髪剤で頭上に烏帽子みたいに立てるようにしたんですよ」 収入面の安定と頭皮の安定。そんな森田社長がリーゼントにしたのは、偶然の結果からだったそう。 「ある日、愛車のロールスロイスに乗ろうとしたら、頭頂部がドーンと天井にぶつかってしまいましてね。 これは困るな、でも髪は伸ばしたい…ということで、ならば今度は髪の毛を前に固めることにしたんです。 その髪型を見た知り合いが「社長、リーゼントにしたの? かっこいいね!」と。そこでひらめいて、理髪店に行って、本格的なリーゼントを作ってもらうことにしました。 もう30年でしょうか。この頭とも長い付き合いになりましたね」 現在79歳の森田氏だが、ご自慢のリーゼントは、逆毛は立てているものの、アンコ(詰め物)は特に入れていないという。 「ヘアセットには、行きつけの2軒の理髪店があって、予約が取れた方に行っています。でも、急にセットしなくてはならない場合は、自分でも仕上げられるようになりましたね。大体20分くらいで、チャチャッとやってしまいますよ」 リーゼントが巨大になるにつれ、森田氏の知名度も上がっていった。 「ブランド王」と名付けられ、取り上げられた新聞雑誌は2000以上、テレビ出演も1200回を超えているという。毎年恒例の、価格が数億円という「ブランド王福袋」もおなじみだ。 「新作のブランド品とか、ビル一棟の権利なんかも入れてるから、それくらいになっちゃうんですよね。すごくお得なのに、まだ購入者がいないんです。なんでなのかな?」 お茶目な一面を見せる森田社長。周りの人々から愛される理由はその人柄にもあるのだろう。そんな社長のいるブランド王ロイヤルの店内には、神社がある。 「生き馬の目を抜く新宿で、40年も商売を続けられたんだから、ここはパワースポットなんですよ。その証に作っちゃいました」と、自身を模した御神体の前で、満面の笑みを浮かべる森田氏。 ブランド王は、もはや新宿の「髪」ならぬ「神」なのだった。 PROFILE 森田勉●1945年、東京生まれ。ホテルオークラ、ホテル小田急センチュリーハイアット(現ハイアットリージェンシー東京)勤務を経て、1985年、不動産仲介業「ロイヤルシステム」設立。1995年「ブランド王ロイヤル」を新宿西口にオープン。買取強化期間は社名を「買取王ロイヤル」に変更。メディア出演多数。また40年前からボランティア活動をライフワークとし、ロータリークラブ・東日本大震災・ユニセフなど、収益の一部を子ども食堂に寄付。「森田式少子化対策」の国家ビジョンを確立し、国とともに協議を行っている。 取材・文/木原みぎわ
集英社オンライン編集部ニュース班