故郷を思い住宅再建に奔走 堤防決壊の地・長野市長沼を「100年先へ」 まちづくりにも積極的に参画 台風19号災害から5年
■長沼の将来を考える活動
関さんは、新たに長沼の住民となった中野さんを地域の活動にも誘いました。 関博之さん: 「期待の星ですから」 中野史崇さん: 「ハードルが(笑)」 それは長沼の将来を考える「まちづくり委員会」。関さんは2024年度から委員長を務めています。 この日は長沼の魅力や移住をPRするホームページの打合せ。 中野史崇さん: 「"歴史系"だと散策路に合わせてマップにポイント付けて、写真を入れると」 仕事でマーケティングや映像制作を手がける中野さんにとっては「得意分野」。 中野史崇さん: 「自分も一員になれてるなって、より実感が湧くというか。根を張っていこうという気持ちが強くなります」
そこでまちづくり委員会は移住促進の他、「長沼小の児童を増やす」「観光協会を設立する」などのプロジェクトに取り組んでいます。 2023年から、新たなイベントも開催。子どもの頃の遊びをヒントに、摘果したリンゴを枝の先に刺して遠くに飛ばす「摘果リンゴ飛ばし大会」です。 中野史崇さん: 「コミュニティーがすごいしっかりしてる。消防団活動や獅子舞の活動があったりというので助け合える。ここに移住できたっていうのは、僕の人生にとってすごくよかったなって思います」
■故郷・長沼を100年先へ
10月12日―。 住民が一体となる秋の例大祭。 中野さんは獅子保存会にも所属し初めて「篠笛」を吹きました。 中野史崇さん: 「村が一体化するいいイベントだなと。楽しかったです」
先が見えぬまま復旧に駆け回っていた頃、関さんはこう話していました。 関博之さん(2020年): 「思いがあれば変わっていくんじゃないかな。何か、思い続ければ見つかるんじゃないかなって。まだ見つかってないですけどね」
あの時、見つけられなかったもの。 災害から5年が経ち仲間とまちづくりに取り組む今、関さんは、おぼろげながらそれを思い描けるようになっています。 関博之さん: 「この長沼の、人と人とのつながり、それを100年経っても続けていける地域でありたい。できれば、今と変わらない長沼、みんな一人一人輝く長沼、それを目指したいですね」
長野放送