カード編成から予想する新日本G1優勝者(1)公式戦9試合中6試合がメイン…初夏の主役を務めたスーパージュニア優勝者・エル・デスペラード【週刊プロレス】
7月20日、エディオンアリーナ大阪で開幕した新日本プロレス「G1クライマックス」が折り返し点を迎えた。予選トーナメントを勝ち抜いて初出場を決めたボルチン・オレッグ、カラム・ニューマンを含め、新世代がエントリー20選手中8選手を占めたことでフレッシュな風が吹いてている“真夏の祭典”。横一線に並んでの優勝争いではあるものの、各大会でメインを務める選手にこそ大きな期待感が表れているといえよう。ここでは開幕前に発表された試合順から優勝を探ってみる。 【蔵出し写真】第1回G1で蝶野正洋に攻め込まれる長州力
「G1クライマックス」を前に争われたのが、ジュニアヘビー級最強を決める「ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア」だった。今年は世界を冠する以前も含めて初めて、IWGPヘビー級タイトル戦をセミファイナルに押しやって優勝決定戦が1万人クラスの大会場のメインに組まれて話題となったが、エル・デスペラードはSHOが保持するIWGPジュニアヘビー級に挑戦したタイトル戦(6・16札幌)だけでなく、初防衛戦(7・5東京武道館)でもメインと務めた。 残念ながらDOUKIにベルトを奪われたものの、「スーパージュニア」でも公式戦全9試合中、6試合でメインを務めた。高橋ヒロムと当時IWGPジュニア王者だったSHOが3試合で2位だったことを考えるとダントツ。「スーパージュニア」を制した6・9大阪城ホールの試合後には、「ビックリしましたね。主役っていうのは、第1試合だからセミだからメインだからっていうのは関係なくてね、お客さんは全選手が目的でバラバラで来るんで、俺が主役っていうつもりはサラサラないんですよ。そういうふうに言っていただくのはうれしいですよ。うれしいです。でも、会社から預けられたという意識を持ってやることを思えば、“ちゃんと期待に応えられたのかな?”とは、ずっと疑問形で思ってますけどね」と口にしていたが、初夏の新日本マットの主役を立派に務め上げたといえるだろう。 ちなみにヤングライオンを除いてジュニアヘビー級の選手のみで「スーパージュニア」のシリーズがおこなわれたのは2018年以降(2020年と2021年は「ワールド・タッグリーグ戦」と並行開催)。今年で7回目となるが、うち4回が公式戦最多メインの選手が優勝を飾っている(高橋ヒロムが3度、デスペラードが1度)。さらに加えるなら、準優勝も1度(2022年のデスペラード)。最多メインの選手が優勝決定戦に進めなかったのは2018年のウィル・オスプレイ(ヒロムと1位タイ)、2019年のドラゴン・リー、2021年のデスペラード、2023年のヒロムとデスペラード(1位タイ)となる。 デスペラードの最多メインは今年だけでなく、2021年から4年連続。ようやく賜杯を手にしたわけで、それが「ちゃんと期待に応えられたのかな?」との言葉につながっている。さて、今年の[G1クライマックス」。各ブロックのリーグ戦最終戦を除いてメインに起用されたのは、内藤哲也、鷹木信悟、辻陽太がそれぞれ4回で最多。彼らに続くのがデビッド・フィンレーの3回。次回では過去の「G1クライマックス」と公式戦メインの回数との関係を探ってみる。(つづく) 橋爪哲也
週刊プロレス編集部