散らかしがちな家族も「迷わない収納」。面倒くさがり屋も動きやすい
家族がいると、どうしてもだれかが散らかしてしまうなどで、すっきりを保てなくなる問題があります。「スッキリ片づく家づくりに欠かせないのは家族が迷わない収納をつくること」と教えてくれたのは、2冊の著書とインスタグラムで片づけについて発信している整理収納アドバイザーの松本まどか(まどなお)。家族の足並みがそろう収納について教えてくれました。 【写真】子どもにも伝えたい片づけの必要性
面倒くさいと思わない仕組みづくりを考えることが大事
松本さんは、ものを出してもすぐ片づけられる家にするためには、その家に住む人(自分たち家族)に合わせた収納方法を考えることがポイントになると考えています。 「家族全員が面倒くさいと思わない仕組みをつくってからは、多少ものが散らかってもすぐに片づけられるようになりました。基本的に、頻繁に使うものはワンアクションで取り出せるようにしています。 せっかくものの定位置を用意しても、それを片づけるまでの手順が面倒くさいと結局出しっぱなしになってしまいます。家族が使ったものをあちこちに置きっぱなしだと、使いたいときにすぐに見つからなかったり、提出しないといけない書類が埋もれて忘れてしまったりする原因にも。生活動線や使用頻度を考えてどこになにを置くかをあらかじめ具体的に決めておくと、さらに片づけやすくなります」
みんなの家はみんなで片づける。声がけのコツ
「わが家では『家族みんなの家なので、みんなで片づけるのは当たり前』という認識で片づけに取り組んでいますが、主婦やお母さんに片づけの比重が偏ってしまうというのもよくある話です。 家族にも動いてもらうには、各々が必要性を感じる声かけをすることが有効です。たとえば、『出しっぱなしだと掃除がしにくくて困っている』など、片づかないことでどんな困りごとが起きているかということを事実ベースで伝えたりすることで、協力的になりやすいです」
家族の性格やライフスタイルも考慮するといい
もちろん、家族によって面倒くさがりな性格、自分の部屋でキッチリ管理したいタイプなど、性格やライフスタイルによっても適した収納方法は異なります。 「子どもの進級や進学のタイミングなどで環境が変わると、それまでのものの配置では使いにくくなることがあります。わが家ではライフスタイルが変化するタイミングで、どこになにを置くかを見直すようにしています。 この場合、子どもだけでは、どこになにを置いたら使いやすいかというのがわからないので、ある程度親が主導しながら配置を考えていくとうまくいきます。性格も考慮することが大事です。わが家の場合、長女と次女では性格がまったく異なるため、同じ収納方法では思うように片づけが進みません。そのため、それぞれに合わせた収納方法を模索しました。 たとえば面倒くさがりの長女には細かく仕きる収納方法よりも、エリアに分けてある程度まとまっている状態での管理が向いています。逆に使うときに見つけやすいほうがよいと思う人には、細かく仕きってわける収納のほうが向いています」 どのような収納にも合う合わないがあるもの。重視する事柄や家族の性格に合わせて収納を考えていくと、みんなが動きやすくなります。
小林ユリ