中国政府「さらなる措置とる権力保留」台湾が実効支配の島付近で中国漁船転覆
台湾が実効支配する金門島付近で中国漁船が転覆した事故をめぐり、中国政府は、「さらなる措置をとる権力を保留している」として、対抗措置によって圧力を強める可能性を示唆しました。 台湾が実効支配する金門島付近の海域では、今月14日、違法操業の疑いで台湾当局から追跡されていた中国漁船が転覆し、2人が死亡しました。 事故を受け、中国海警局は周辺海域で台湾の観光船に立ち入り検査を行ったほか、25日には艦艇が編隊を組んで巡回する演習の様子を映像で公開するなど、活動を活発化させています。 中国政府で台湾政策を担当する国務院台湾事務弁公室の報道官は28日、「台湾の民進党政権はいまだ何の謝罪も示していない」と改めて非難した上で、「中国はさらなる措置をとる権力を保留しており、結果は台湾側が負うことになるだろう」と述べ、さらに圧力を強める可能性を示唆しました。 台湾は、許可のない中国船の進入を規制する禁止・制限水域を定めていますが、中国側は転覆事故を口実に、力による現状変更を試す狙いがあるとみられ、中台間の緊張が高まっています。