阪神・藤浪が森との後輩対決に勝ってMVP
マツダ・オールスターゲーム2015の第1戦が17日、東京ドームで行われ、オール・セントラルが8-6でオール・パシフィックに打ち勝ち、MVPには4回からの3イニングをパーフェクトの2奪三振に抑えて勝ち投手となった阪神の藤浪晋太郎が選ばれた。藤浪は表彰式後、賞金の300万円の使い道を聞かれ「両親に渡します」と答えた。なお敢闘賞は、3安打の横浜DeNAのロペス、勝ち越しアーチの巨人・阿部慎之助、最初に逆転3ランを放った千葉ロッテの清田育宏の3人。
クライマックスは、6回の先頭打者として迎えた大阪桐蔭の1年後輩、ファン投票で最多投票を獲得した西武・森友哉との対戦だった。 153キロのストレート。森が、フルスイングした打球は、一直線に天井へ。見上げる。ベンチもスタンドを埋めたファンも見上げる。 地上から約50メートルの距離になる薄い天井の膜を押し上げるように当たった打球は、フェアグラウンドに落ちてきて、一塁の横浜DeNAのロペスがキャッチした。 審判のコールは「アウト!」 東京ドームの特別ルールでは、天井に挟まって落ちてこない打球は、その場所によって認定二塁打、認定本塁打とされるが、当たって跳ね返ってきた打球は、インプレイとして扱われる。ロペスがキャッチしたので結果はアウト。森は、ベンチで頭を抱えた。 「完璧にとらえたと思ったんですが、だめでした。天井に当たった?そんなんじゃ駄目です。アウトはアウト。(藤浪さんのボールの)威力は凄かったんですが、打ち負けない気持ちで立ちました。結果はアウトになりましたが、しっかりとスイングはできたので、いい対戦はできたと思いました」 一方の藤浪も「森さんに打たれると何を言われるかわからないので森さんを抑えられたことが良かった」と、1年後輩でかつてバッテリーを組んで全国制覇した森を「さん」付けで呼んでニンマリ。 この回は、さらに大阪桐蔭の大先輩のアーチスト2人が続いた。おかわり君こと西武の中村剛也にもまたもや天井に当たりそうな大きな内野フライ。続く日ハムの中田翔には、「真っ直ぐを投げないといけないような雰囲気」(藤浪)の中、2球、変化球を続けた。中田が少しむっとした表情を見せた3球目に153キロのストレート。続いて151キロのストレートをインサイドに投げ込むと、中田は、詰まったレフトフライ。大先輩を力でねじふせて、チームの逆転劇を呼び込んだ。 全セの指揮を執った原監督も「二番手の藤浪が3イニングをパーフェクトで、わが軍に勢いをつけた」と大絶賛。予定の2イニングを和田監督の了承をとった上で3イニングに伸ばした執念采配だった。