2024年版 ドライバーを虜にする高性能SUV 10選 走りも実用性もスキなし
10. ランドローバー・ディフェンダー90 V8
長所:5.0L V8の無限の魅力、運転する楽しみがある。 短所:今回は予算オーバー。合理的とは言えない。 スーパーチャージャー付き5.0L V8エンジンを搭載したディフェンダー90 V8は、今回設定した予算を大幅に超過しているが、あまりに個性的で魅力的なので紹介させてほしい。 エンジン自体は他のJLRモデルにも搭載されているもので、洗練の極みとは言えないが、その魅力は否定できない。鼓動感と過給器のうなり声が、唯一無二のキャラクターを演出している。 ランドローバーのSVO(スペシャル・ビークル・オペレーションズ)部門による特別モデルではないが、22インチホイール、500ps以上の出力、そして芳しいエグゾーストノートなど、SVOの特徴も数多く見られる。開発チームは、運転するのに楽しいクルマを作ろうとした。彼らに話を聞くと、ラリーカーに近い雰囲気を作りたかったと言う。ガタガタした路面では特にバランスよく、軽快に走れるように、と。 乗り心地はなめらかで洗練されていて、不安になるほど速い。FタイプSVRやカイエン・ターボのようなハンドリングは難しいが(期待するのはお門違い)、ダイナミクスに甘美な味わいがあり、十分な加速を見せてくれる。つまるところ、決して合理的ではないが、実に愛らしいクルマなのである。
ジェームス・ディスデイル(執筆) 林汰久也(翻訳)