「藤井7冠には悪いことではない」8冠陥落も師匠は前向き「伊藤匠さんとの新たな伝説が」
20日に行われた将棋の叡王戦で伊藤匠七段(21)に敗れ、8冠から陥落した藤井聡太7冠(21)の師匠、杉本昌隆八段(55)は21日、TBS系「ひるおび」(月~金曜午前10時25分)にリモート出演し、幼少時からライバルとして競い合ってきた2人の関係について語った。 杉本氏は、将棋界のレジェンド羽生善治・日本将棋連盟会長を引き合いに「羽生善治九段の時代も、森内俊之さんや佐藤康光さん、郷田真隆さんといった同世代のライバルがいらっしゃって、羽生九段の大記録が生まれたこともあると思う」と指摘。「同世代のライバルというのは、お互いに刺激し合って成長し合う関係。藤井7冠にライバルが誕生したことは本当に素晴らしいことだと思う」と述べ、藤井をやぶり悲願の初タイトルを獲得した伊藤叡王をたたえた。 藤井7冠がこれまでタイトル戦で対戦してきた相手がほぼ年長者だったことを念頭に、「同世代との公式戦対局というのはほとんどなかった。それが今回、伊藤匠さんという強力なライバルがタイトル戦に登場してきて、今回、タイトルホルダーとなった。これで新たに2人のライバル関係、伝説が始まっていくんだろうなと思って、昨日は本当に、いい日だったんじゃないかなと思う」と口にした。 「2人はまだ21歳。2人とも成長期で、どちらも技術はまっすぐに伸びる。20年、もしかしたら30年かもしれないが、長きにわたりライバル関係であり続けると思う」とも述べ、藤井の敗戦については「負けたことは(本人にとって)くやしいと思うが、長い目で見た時、藤井7冠にとてもけして悪いことではなかった。記念すべき将棋界の新たな1日だったのではないか」と語った。 番組には、伊藤叡王の師匠、宮田利男八段(71)も生出演。宮田八段も「同世代のライバルはもちろん必要。この2人だと、どちらも『(相手に)負けられない』という気持ちが大きいと思う」と述べた。