ラヴィット!は発掘した芸人のグッズで一儲け…″無名の若手芸人″の台頭で進む「脱・賞レース」の流れ
数多くのスターを生み出したお笑い賞レースから、若手芸人が離れつつある。たとえば、メンバーのりなぴっぴ(26)がモデル級のルックスを活かして初のデジタル写真集を発売するなど、人気急上昇中のお笑いトリオ『リンダカラー∞』もそう。今年7月、テレビ朝日のYouTubeチャンネルで、リーダーのDen(30)が「賞レースの洗脳から覚めた」と宣言して話題となった。 【画像】「千鳥」大悟、「かまいたち」山内、「ジャンポケ」斉藤…芸人たちの私服辛口チェック! 「『リンダカラー』はもともとDenと、たいこー(31)のコンビ。そこにライブを見てファンになったりなぴっぴが’22年から加わり、今の形になりました。″カリスマ″Den&2人の信者、という独特な世界観で注目を集めています。トリオになって挑んだ『M‐1グランプリ』は2回戦で敗退しましたが、今年はエントリーすらしていません」(お笑いライター) コロナ禍で配信ライブやYouTube、ライブ配信アプリが定着。「無名の若手でも稼げるようになったのが大きい」と若手芸人は見ている。 「吉本の若手だと″劇場の人気者″クラスの世間的には無名の芸人でも、配信ライブがかなり売れる。同世代のサラリーマンより稼いでいる人がほとんどで、車を持ってる人もいますよ」 出場者の増加と、賞レースの競技化が「″脱・賞レース″に拍車をかけている」と言うのは放送作家だ。 「かつて、プロなら『M‐1グランプリ』は3回戦進出が最低ラインと言われていましたが、今年は1万330組がエントリー。3回戦に進出できるのは全体の4%と、超狭き門です。昨年のチャンピオン『令和ロマン』のような″賞レース用のボケ数の多いネタ″じゃないとウケづらいのもネック。賞レースに全振りせず、自分に合った稼げるジャンルを探す若手芸人が増えていますね」 ◆「発掘・育成番組」が増えた背景 『M‐1グランプリ』は、3回戦に進出した芸人のネタを期間限定ですべて配信する。このシステムによって「是が非でも優勝、という意欲は削がれている」と前出の若手芸人は言う。 「予算削減のため、対面オーディションは激減。各局、賞レースの動画を見て若手を発掘することが多くなっている。つまり、M‐1で3回戦まで進むことができれば、それだけで一気に番組に呼ばれるチャンスが広がるんですよ」 フジテレビが若手ディレクターと若手芸人による″芸人開花バラエティ″『ハチミツ!!』を放送するなど、若手発掘・育成番組も増えている。 「賞レースで結果を出すとスケジュールの争奪戦になりますが、自社で発掘・育成した芸人なら、ブレイクした時に出演を優先してもらえるというメリットがある。『おもしろ荘』(日本テレビ系)で発掘されたやす子(26)は『24時間テレビ』など日テレの番組に優先的に出演していますからね。 『ラヴィット!』(TBS系)は、番組で発掘した『かけおち』の青木マッチョ(29)のグッズで一儲けしています(笑)。青木は吉本の所属。吉本は自前のグッズ販売会社を持っているので、本来なら芸人の番組発グッズにはOKが出づらい。青木に関しては″有名にしてくれた恩″があるので番組に一任しているといいます」(制作会社ディレクター) 令和のテレビ界で、無名の若手芸人たちが一気に台頭しそうだ。 『FRIDAY』2024年11月15日号より
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