ソフトバンク風間球打、原点回帰の力投「こっちの方が合っている」 悩み抜いて見つけた姿で2回6奪三振
◆交流戦・ソフトバンク4軍6―1宮崎サンシャインズ(29日、タマスタ筑後) ソフトバンクの風間球打投手(20)が「原点回帰」の力投を見せた。6回から2番手で登板し、2回29球を投げて1安打無失点。アウトは全て三振だった。「自信になった」と手応えを口にした。 ■タマスタ筑後、まっすぐな視線の先に―【写真】 6回は3者連続空振り三振。この日の最速は152キロだった。7回は2死から左翼線への二塁打を許したが、見逃し三振で締めた。奥村政稔4軍投手コーチ補佐は、6回1死で3ボールにしてから空振り三振を取った場面に触れて「あそこで四球を出さなかったことがよかった」と評価した。風間も「いつもの自分だったらフォアボールだった。自信を持って粘りのある投球ができた」とうなずいた。 今季は2軍で5試合に登板し防御率6.75。結果を求めることを意識したプロ3年目は4月26日のウエスタン・阪神戦(タマスタ筑後)を最後に、3、4軍での登板が続く。「2軍の時は、どちらかというとコントロールを気にしていたので、球に勢いがなくて、空振り三振が取れなかった」。2軍からの降格後、9日の香川オリーブガイナーズとの3軍交流戦は9回に登板して4失点と乱調だった。「あの時も、コントロールが良くてもバットに当てられてヒットになった」と唇をかんだ。 そんな風間が変わるきっかけとなったのが、5月中旬からあった四国遠征で見た1学年下の大野の投球だった。「稼頭央のピッチングを見て、自分に合っているものが分かった気がした」。自分の持ち味はコントロールではなく、力でねじ伏せること―。投球フォームも見直し、制球力に重きを置いたセットポジションから、昨年までのノーワインドアップに戻した。 この日は球のばらつきも少なく、力強い投球が光った。「(先発の大野)稼頭央がよかったので、ちょっと重圧…」と苦笑いしながらも「自分の今できる投球がいい結果につながった。(制球力を)気にする投球より、こっちの方が合っている」と胸を張った。 再び2軍に上がった時には「良くても悪くても、今の投球をしていきたい」と決意を固めている。本来の力強さを取り戻した先に待つ明るい未来を信じている。 (浜口妙華)
西日本新聞社