“濃密な情事”では後ろから抱きつかれ人差し指を口に突っ込まれ…「悪女」「しごでき」キャラの女優・菜々緒が放つ“存在感”
濃密な情事シーン「やっかいだねぇ、男ってやつは」
そんな『ふたがしら』で、菜々緒さんと成宮さんによる濃密なシーンが描かれたのです。 第4話では、成宮さんに後ろから抱きつかれ、首元に愛撫されても冷酷な表情のまま、「やっかいだねぇ、男ってやつは」とつぶやく菜々緒さん。成宮さんの右腕が着物の中に入り込み荒々しく胸をまさぐられても抗うことはせず、彼女の顔に彼の左手が伸び、口に人差し指を突っ込まれ悶える……。 愛憎がうずまく複雑な関係性を描いた情事を、表情の変化で見事に演じてみせたのです。これぞ悪女といった貫禄が漂う演技でした。 2015年はそのすぐあと、松坂桃李さん主演の『サイレーン 刑事×彼女×完全悪女』(フジテレビ系)という、タイトルに「悪女」と冠されたドラマの悪女役にも抜擢されていました。菜々緒さんが演じたのは、次々と巻き起こる猟奇殺人事件の裏で暗躍するという本格的な悪女キャラだったのです。 こうして「菜々緒と言えば悪女」というイメージが完全定着。 そして2018年、満を持してGP(ゴールデン・プライム)帯の連ドラ初主演を飾ったのが『Missデビル 人事の悪魔・椿眞子』(日本テレビ系)。主人公は「悪女を超えた悪魔」というダークヒロインで、人事コンサルタントとしてオフィス内の闇を暴いては、その長い美脚で悪徳社員にハイキックを食らわしていくといったストーリーでした。 日本の芸能界において悪女の第一人者になった菜々緒さんでしたが、役者として次のフェーズに進んでいきます。
主演にこだわらず“しごでき”キャラへ
それは“しごでき”キャラ。 菜々緒さんの眼光鋭いキリッとした顔立ちと高身長・9頭身のスタイルは、悪女キャラと同じぐらい、有能で仕事ができるキャラとの親和性も高かったのです。 2018年の木村拓哉さん主演ドラマ『BG~身辺警護人~』(テレビ朝日系)では、将来を有望視された柔道選手という過去を持つ優秀なボディーガード役。 2020年の木村文乃さん主演ドラマ『七人の秘書』(テレビ朝日系)では、空手の有段者で運動神経に優れ、正義感が強い一面もある「警視庁」警務部長秘書役。 2021年の上白石萌音さん主演のドラマ『オー!マイ・ボス!恋は別冊で』(TBS系)では、超敏腕なバリキャリで、毒舌・冷徹で超ドSというファッション誌編集長役。 同じく2021年の鈴木亮平さん主演のドラマ『TOKYO MER~走る緊急救命室~』(TBS系)では、救命救急の知識と経験が豊富で、主人公の右腕として活躍する看護師役。 2022年の岡田将生さん主演のドラマ『ザ・トラベルナース』(テレビ朝日系)では、ただ目の前の患者を救いたいという誠実な信念を貫き、成長していく外科医役。 このように近年は悪女役から距離を置き、しごできキャラでドラマ出演する機会が激増。 『オー!マイ・ボス!』のドS編集長のように“悪女味”があるキャラでも、“しごでき味”に比重が置かれていました。 また、主演にこだわらずにしごできキャラを演じてきたのもポイントでしょう。