<甲子園交流試合・2020センバツ32校>明豊20人、攻守で躍動 県岐阜商に4-2 /大分
2020年甲子園高校野球交流試合は第2日の11日、第3試合で明豊が県岐阜商(岐阜)と対戦し、4―2で快勝した。昨年のセンバツでベスト4に入った強豪は、攻守で持ち味を発揮。ベンチ入り20人全員が出場して勝利を飾った。昨秋公式戦のチーム打率3割9分の明豊は序盤から見せ場をつくった。 【真夏の熱闘】交流試合の写真特集はこちら ◇エース力投、好機で加点 一回、2死から布施心海選手(3年)が中前打で出塁。続く4番・小川聖太選手(同)が右翼線に適時二塁打を放って先制した。二回には先頭の中尾圭選手(同)の中前打を口火に2死二、三塁と好機を作ると、宮川雄基選手(同)がきっちり三遊間を破る適時打を放って2人を還して加点。中盤は得点できなかったものの、七回には3安打で1点を加えてリードを広げた。 守りでは、若杉晟汰投手(同)がキレのいい変化球を効果的に使って7回を9奪三振、1失点。エースの力投に野手も随所で好プレーをみせて引き立てた。 光ったのが県岐阜商の三回2死一、二塁の場面。中前にはじき返された打球を中堅手・布施選手が捕手に好返球し、二走の生還を阻んでピンチを救った。 ◇「夢」ありがとう 保護者会応援、うちわで「追い風」 球場には保護者会や部員ら約250人が応援に集まり、一塁側内野スタンドから選手たちに声援を送った。 3年生の最後の夏を応援するために保護者会ではうちわとマスクをそれぞれ300枚作成した。青色のうちわの片面には「ありがとう」の一文を組み合わせて「夢」の文字をかたどったデザイン。もう一方の面には「最高の笑顔で 最高の勝利を! 2020」とつづった。川原俊成保護者会長(50)は「うちわで思いっきりあおいで、明豊に追い風を送ります」と意気込んだ。 新型コロナウイルス感染対策として保護者会はおそろいのマスクも用意。白地のマスクの右端に明豊カラーの青色を配色し、マスクの左上には明豊野球部のマークをあしらった。 試合終了後、大阪から越境入学した布施心海選手(3年)の母、ゆかりさん(44)は「1人で明豊に行った時は不安と寂しさがありましたが、成長した姿を見せてくれた。とても誇らしく、親孝行してもらいました」と声を震わせた。【河慧琳】 ◇よく辛さ乗り越えた OB会長ら喜びの声 高校生活最後の試合に臨む選手を遠くから応援しようと、OBらはテレビで試合観戦。明豊の勝利を喜んだ。 昨春のセンバツに投手として出場した卒業生の寺迫涼生さん(18)は「感動した。昨年の甲子園と違って、今年は出場の切符をつかんでも普通に試合をすることができない。先が見えない中で、辛いことを乗り越えてよく頑張っていた」と後輩たちをねぎらった。「一緒に練習して、たくさん努力をしている姿を知っているだけに、試合を見ていて胸が熱くなった。ありがとう」と健闘をたたえた。 また宮本真徳OB会長(37)は、職場からテレビで応援。「甲子園で無事に試合ができてほっとした。見ていて誇らしかった」と興奮気味に話した。後藤明文同窓会長(67)も自宅でうちわを手に応援。「名門相手によく戦った。全員野球で熱いドラマを見せてくれた」と笑顔をこぼした。【河慧琳】 ……………………………………………………………………………………………………… 明豊 120000100=4 000000101=2 県岐阜商 (明)若杉、楠、太田―賀来 (県)野崎、松野、森―高木 ▽本塁打 佐々木(県) ▽二塁打 小川(明)