全英女子アマでベスト32! 高校3年生の齋藤愛桜と、父でありプロキャディでもある齋藤優希が見たアイルランドのコースの“難しさ”とは?
2024年6月24~29日、アイルランドのポートマ―ノックGCにて全英女子アマチュアゴルフ選手権が開催された。1893年から続く歴史ある大会に、4月に行われた「ザ・ロイヤル・ジュニア」で優勝し、出場権を手にした高校3年生の齋藤愛桜が出場。ストロークプレーの予選2日を見事通過し、マッチプレーで行われる本選も2日目まで進出。惜しくも2回戦敗退となったが、多くの海外トップアマチュアに囲まれるなかベスト32でフィニッシュした。現地に帯同していたプロキャディを務める父・齋藤優希氏に、親子で初の海外遠征を終えて話を聞いた。父・優希氏のモノローグでお届けする。 【写真】齋藤愛桜のドライバー連続写真はこちら
風に翻弄されるリンクスコース
ポートマーノックGCは、アイルランドの首都ダブリンに位置するリンクスコース。ほとんどのホールでフェアウェイ中央が高く、両サイドが低い形状になっているうえに地面がかなり硬いので、狙ったところに落としてもフェアウェイに止まる可能性が低くとても難しいコースでした。初日から3日目は平均6メートル、4日目は14メートルの強風が吹き、300ヤード地点にあるバンカーまで3番ユーティリティや3番ウッドで届いてしまうほど。番手を下げてもかなり飛距離がでてしまうのが厄介でした。 グリーンも硬く仕上がっていて、着弾してしまうと必ずグリーン奥。たとえば150ヤード残っていたとしたら120~130ヤード地点に落とす必要がありましたが、うまく落とせても傾斜があってバンカーが待ち受けていて、相当狭いエリアを狙っていかないといけないシビアなコースでしたね。グリーンの外に落としてどうやって転がってピンに寄っていくのか、この計算をするのは愛桜にとって今までにない経験でした。 OBはほとんどないのですが、ファーストカットの奥のラフは膝まで伸びているし、その奥にはヘザーと呼ばれる植物が生い茂ったエリアがあるホールも。このヘザーに入れてしまうと見つかってもショットすることはなかなか難しく、ギブアップするかドロップするしかない選手が多く見られました。 風、傾斜、その先に待ち受けるハザードが利いていたので、かなり狭く感じるコースだったなという印象です。特に18番はフェアウェイが極端に湾曲していて、右サイドには大きなバンカー、左サイドには剛ラフと、フェアウェイキープできた人がほとんどいないようなホールでした。もう運でしかないというか、みんなよくやっているなと感心しましたね。 バンカーは全てポットバンカーなので入れたら出すだけ、ラフも深くて入れたらだすだけ、フェアウェイも傾斜と硬さでどうしようもなく、ナイスショットがナイスショットではなくなってしまう……、全ての要素がタフなコースでした。