「大阪・関西万博」参加合意 国内外アピール成功誓う 負担金配分は再検討 世界自然遺産5地域会議
国内の世界自然遺産に登録された5地域23市町村などによる、「世界自然遺産5地域会議」(代表・小野寺浩屋久島環境文化財団理事長)の第3回会合が19日、東京都港区の航空会館ビジネスフォーラムであった。奄美大島と徳之島からもオンラインを含め、市町村の首長が出席。2025年日本国際博覧会「大阪・関西万博」への基本的参加計画を合意するとともに、国内外へのアピール成功を誓った。一方、地域負担金の各市町村への配分については、再検討することとなった。 国内の世界自然遺産登録地は21年7月に登録された「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島(鹿児島県・沖縄県)」のほか、▽知床(北海道)▽白神山地(青森県・秋田県)▽小笠原諸島(東京都)▽屋久島(鹿児島県)―がある。 同会議は、世界自然遺産登録地域間の連携を深め、①日本の自然遺産の価値と日本型自然保護モデルの国内外への発信②共通の地域課題解決や各地域の持続的発展―を図ることが目的。同博覧会「TEAM EXPO 2025」の関係機関からの、参加呼び掛けをきっかけに23年1月18日に発足し、今年1月に第2回会合を開き、博覧会参加に向け議論を積み重ねてきた。 会合では、事務局が関西・大阪万博の概要や参加にあたっての位置づけなどを報告。事業実施内容や催事の詳細、事業化計画が説明された。万博は25年4月13日~10月13日、大阪夢洲で、「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに開催。来場者約2820万人(国内約2420万人、海外約350万人)を想定している。 参加のねらいとして、①暮らしと自然保護の「両立モデル」の提示②遺産地域を抱える課題を国内外へ周知③国や企業などへの提言、国内外へメッセージ発信―とし、催事テーマは、テーマウィーク催事(5月6日)を「(仮)『地球市民』が実現する持続可能な社会への提言」、EXPOホール催事ステージプログラム(6月5日)を「(仮)千の時間、千の自然―私たちと世界自然遺産5地域」とした。 催事では、23市町村の子どもたちから作文「世界自然遺産と私たち みつけた!自然のふしぎ・自然と暮らす楽しみ」を募集し選出作品の展示、TBS「世界遺産」を編集したムービーの放映、シンポジウムやステージプログラム案が提示された。 地域負担金の各市町村への配分については、都道県の7地域割りによる配分案が提示されたが、展示スペースやステージプログラムとの不整合が発生することから再検討となった。 意見交換では、参加者から「来年度の予算編成の関係があるので、早めの負担金明確化を」「万博への参加を一過性のものにせず、登録地域の交流と活性化の場に発展できれば」などが挙がった。鎌田愛人瀬戸内町長は「ムービーについては、万博終了後も利用できるようにしてほしい」。安田壮平奄美市長からは「関西奄美会からの協力依頼がある。計画の詳細を早く決めてほしい」などの意見が出された。