676グラムで産んだ子の「服がない」自身の経験から「超低出生体重児の服」を作る女性
▽栗原涼子さん 「入院している人へのプレゼント用などが何件かありました。<小さいサイズが見つけられないと思っていた時に記事を見て、顔がほころびました>そんなメッセージが入っていた」 1000グラム以下で産まれてくる超低出生体重児は、国内の出産全体の0.3%と、一定数いるのが現状だ(厚生労働省・2019年)。かつての涼子さんと同じように悩んでいる人は少なくない。 小さなベビー服は、そうした子を持った親の心の隙間を埋める。また涼子さんは自身の体験から、完成品のベビー服だけでなく、あえて縫い合わせる前の「手縫いキット」も用意している。 ▽栗原涼子さん 「私も息子が保育器に入っていた当時を思い出して、できるなら自分で縫いたかったと思ったからです。保育器に入っている間って、面会してちょっとタッチするくらいしかできることがなくて、こういうのがあったら作りたかった。同じように思うお母さんがいるんだったら自分ででも作れるようにキットを提供しようと」 「当時は、童謡を流している方や搾乳室で雑談しているママさんたちが眩しく見え、私は自分から声をかけることができませんでした。もし私みたいなママさんがいたら、肌着を介して自分から声をかけるきっかけになったらいいなと思ったことも理由のひとつです」 我が子を抱けない時間にも親としてできることを提供し、少しでも気持ちが楽になってほしいという思いが、「手縫いキット」には込められている。最後に、同じような境遇にある親たちにメッセージを寄せてくれた。 ▽栗原涼子さん 「想定外の出産に、多くのママさんが自分を責めると思います。それでも、自分を責め過ぎないで。赤ちゃんと自分のためにできることを探してほしいと思っています。自分が “穏やかな気持ちになれる” “少しでも心が軽くなる”ような、自分に合う方法を見つけてほしいです。ご家族や話せるご友人、病院の方に話をして頼ったりして、どうか頑張りすぎないで」 「そして、“やんばるちびっこの会”のような当事者の親の会は、全国各地にあります。必要な方はそれぞれ自分のタイミングでそこに繋がってほしいと思います。そして一緒に子どもの発達成長を喜んでくれる、共感し合える人に出会えるといいなと思います」
小さなベビー服の詳細は、涼子さんが立ち上げた事業「Angelin」のHPから確認できる。(取材 久田友也)
琉球放送