イタリアでの接触で“出場停止ライン”に達したマグヌッセン。当事者ガスリーに被害者意識はなし「なんてことない接触。裁定を撤回してほしい」
ハースのケビン・マグヌッセンは、F1イタリアGPでピエール・ガスリー(アルピーヌ)と接触したことによってペナルティポイントが加算され、ポイントの累積により次戦アゼルバイジャンGPは出場停止となる見込みだ。これについてガスリーは、出場停止はやや不公平だと感じているという。 【ギャラリー】F1史上最も醜い、2014年のF1マシン全車 ふたりが接触したのは、第2シケインのロッジア。ガスリーを追い抜こうとしたマグヌッセンがインから飛び込んたが、そこで2台は軽く接触し、共にシケインをショートカットしてコースに戻った。 マグヌッセンはその後ガスリーをパスして9番手でチェッカーを受けたが、上記のアクシデントに関して10秒のタイム加算ペナルティが科されたため、10位となった。マグヌッセンはさらにスーパーライセンスに2ポイントのペナルティポイントを追加されたため、直近1年間での累積が、1戦出場停止となる12ポイントに到達してしまった。 ガスリーは件の接触が「なんでもない」ことであり、「ちょっとしたホイールトゥホイールだった」と感じている。そのため、マグヌッセンのためにスチュワードのもとを訪れ、裁定を撤回するよう働きかけてもいいくらいだと話した。 「正直なところ、あれはなんてことなかった」 「僕たちは今日の午後を通してとんでもなく遅かった。レースではもっとポテンシャルがあると信じていたのにかなり厳しかったから、なんとか調子を上げていく必要がある」 「(マグヌッセンが)10秒ペナルティになったと言われたけど、少し驚いている。確かに彼は攻め込んできたけど少しホイールトゥホイールになったという感じで、結果としてはそんなにタイムもロスしていない。ちょっと驚きだよ」 「このままでは不公平だから、なんとかして撤回してほしいね。(スチュワードに対してマグヌッセンを擁護することは)喜んでやるし、何ができるか考えるよ。あのインシデントについてはとてもアンフェアに感じる」 またフェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)も、出場停止となるマグヌッセンに対して同情的な見方をしている。 アロンソ曰く、現行のペナルティポイントのシステムは危険なドライビングを取り締まるという当初の目的と一致していないという。つまり、それぞれのインシデントに対するタイムペナルティは必要であっても、軽微な接触にもペナルティポイントが加算されるのは理解し難いと感じているのだ。 「(マグヌッセンに対しての同情は)100%だ。というのもペナルティポイントは何度も議論されてきたように、危険なドライビング……このスポーツや他の人にとって危険なものに対して科されるべきだ」 「なのに彼に加算されたポイントのいくつかは……正確なリストがないので分からないけど、ピットレーンのホワイトラインカットや、アンセーフリリースなど、そういったものも入っていたはずだ」 「レースの一部として、ドライブスルーや5秒ペナルティが出るのは分かる。でもセーフティペナルティ(ペナルティポイント)を食らうのは理解し難い」 なおハースの小松礼雄代表はこの件についてコメントすることに慎重な姿勢を見せており、マグヌッセンの出場停止はポイントの積み重ねによるものであるため、公に何かを言うよりスチュワードと話し合うべきことだと考えているようだ。
Jake Boxall-Legge