巨人の新エース・山﨑伊織。野手でも非凡だった高校時代、投手開花は大学3年
ドラフト目玉として注目
ようやく投手としての山崎が本格化したのは東海大に進学してからだ。 1年時は故障もあって公式戦での登板はなかったが、2年春には先発の一角として3勝をマーク。そして完全にドラフト候補として認識するようになったのは3年春のことだった。 特に強く印象に残っているのが、2019年5月19日に越谷市民球場で行われた対筑波大戦である。 この試合で山﨑は立ち上がりから140キロ台後半のストレートと鋭く変化するスライダー、カットボールを武器に相手打線を圧倒。 5点差がついたため9回はリリーフにマウンドを譲ったが、8回を投げて被安打5、9奪三振で無失点と圧巻のピッチングを見せたのだ。 当時のノートにも称賛する言葉が並んでいる。 「少しテイクバックで腕が背中に入るが、肩の可動域が広く、下半身の柔らかさもあり、伸びやかなフォームは見ていて気持ちが良い。イメージは伊藤智仁(元・ヤクルト)を彷彿とさせるものがある。 (中略) ストレートは力を入れると140キロ台後半をマークし、数字に見合う勢いがある(この日の最速は150キロ)。スライダーは120キロ台中盤から130キロ台前半までスピードと変化の大きさにバリエーションがあり、しっかり狙って投げ分けているように見える。 130キロ台中盤のカットボールもストレートと見分けがつかず、打者の手元で鋭く変化する。135キロくらいのフォークも3回から投げ始め、このボールもレベルが高い。 右打者の内角に狙って速いボールを投げられるコントロールも素晴らしい」 この後に行われた全日本大学野球選手権でも3試合に登板し、チームの準決勝進出に大きく貢献。初戦の対立命館大戦では最速153キロをマークし、スタンドを沸かせていた。 この活躍が認められ、3年生ながら大学日本代表にも選出されて、日米大学野球選手権にも出場。続く秋のリーグ戦でも4勝0敗、防御率0.20という圧巻の成績を残してチームを優勝に導いている。 この頃から、2020年のドラフトの目玉は山﨑だという声が大きくなっていた。