街中であまり見かけない!?レクサスのベーシック車UXって売れているの?魅力と課題はどこにある
■中途半端に捉えられやすい、高級ブランドのコンパクト
レクサスのエントリーモデルといえば、かつて「CT」というハッチバックモデルがありました。2011年~2022年まで販売されていたCTは、当時のレクサス最小のボディサイズをもつ、アウディのA3スポーツバックやBMWの1シリーズなどに対抗するプレミアムコンパクトであり、プリウス譲りのハイブリッドを武器に、高い環境性能と高性能を特徴とするモデルでした。もちろんレクサスらしい高級感のある内装や、どっしりと安定した走りなどプレミアムカーとしての魅力を備えていました。 総合的な評価は高く、完成度の高いクルマでしたが、その後モデルチェンジをすることなく2022年10月で生産終了に。SUV人気に押されたことも要因だったと考えられますが、やや保守的なデザインや、ヨーロッパの高級モデルに比較すると見劣りする性能が「割高感」をイメージさせてしまったのでしょう。 UXもCTも、高級ブランドゆえに安く販売することもできず、かといって小柄なボディサイズゆえにハード面でできることが限られてしまい、イマイチよさが伝わりにくいのがこのクラスの難しいところ。クルマの出来はよいのに中途半端に捉えられやすく、高級車を買う人の所有欲を十分に満たしきれない、そんな印象がどうしても残ってしまうのです。
■LBXはしっかりターゲットを絞ることで、中途半端な印象を解消
その点、2023年11月にデビューしたレクサス「LBX」は、こういうサイズのプレミアムカーが欲しいと思わせるような設計で話題をよんでいます。いわゆるエントリーモデルとは異なり、こういうサイズのクルマが欲しいというユーザーにしっかりターゲットを絞っています。 価格は標準モデルが税込460~576万円、さらに限定車の「LBX MORIZO RR」は税込650~720万円と相当チャレンジングな値付けですが、サイズはコンパクトでも個性が強調できれば、中途半端な印象は薄れるかもしれませんね。 Text:立花義人、エムスリープロダクション Photo:LEXUS