甲子園決勝進出の京都国際、また始まった球児の活躍に水を差す「韓国語校歌」論争
日本の高校球児の夢の舞台「夏の甲子園」が韓国でも大きな関心を集めている。といっても大会そのものではなく、大会で大活躍している韓国系国際学校「京都国際高校」の韓国語の校歌に対する関心だ。 【写真】京都国際の決勝進出を大々的に伝える韓国のニュース映像。「韓国語の校歌が鳴り響いた甲子園」などのタイトルで韓国メディアが連日ヒートアップ ■ 京都国際の決勝進出に沸く韓国 京都国際が決勝進出を決めると、「甲子園大会の決勝戦を韓国でも中継してほしい」という要請がネット上に相次いだ。さらには一部で甲子園を中継する日本のNHKが京都国際の韓国語の校歌を「歪曲して流した」との主張が飛び出し、さまざまな議論を呼んでいる。 韓国系の民族学校をルーツにもつ京都国際高校が2021年に春のセンバツで甲子園出場を果たしたときも、韓国社会は大いに盛り上がった。 当時、与党だった「共に民主党」は京都国際のための応援ページを開設し、日本でのプレー経験がある韓国プロ野球選手たちもそこに応援メッセージを送った。韓国外交部は京都国際高校を応援する動画を製作してYouTubeで公開し、日韓議員連盟をはじめ色々な団体と企業から3億ウォンを超える寄付金も集まった。
韓国メディアは京都国際のことはもちろん、甲子園自体についても特筆大書した。多くの日刊紙の日本特派員が直接甲子園に出かけ、京都国際の試合の様子を熱心に取材。京都国際が初戦で宮城の柴田高校を延長戦の末に5-4で制して初勝利を収めると、韓国の新聞は一斉に「日本の野球聖地に鳴り響いた韓国語の校歌」「韓国語の校歌が鳴り響いた甲子園」などのタイトルで試合状況を詳しく報道、その様子を写した写真は主要日刊紙の1面トップを飾ったほどだった。 ■ 3年前の夏の甲子園では準決勝進出 さらにこの年は夏の甲子園にも出場。2回戦で群馬の前橋育英、3回戦で東東京の二松学舎大付属、準々決勝で福井の敦賀気比を破ってベスト4にまで進出した。準決勝では奈良の智弁学園に2-3で惜しくも敗れたが、もちろん韓国社会はこの時も大盛り上がりだった。 その後、22年、23年と甲子園出場を逃していたが、今年は春に3年ぶりのセンバツ出場を果たしたのに続き、夏の甲子園にも出場、そのうえなんと決勝まで進む快進撃を見せているのだから、韓国メディアが連日ヒートアップするのも致し方あるまい。 「この日の試合でも京都国際高校の選手たちが“東海の海 渡りし 大和の地は 偉大な祖先 古の夢の場所”という韓国語の校歌を歌う姿がNHKの放送を通じて日本全国に生中継された」(ハンギョレ新聞) 「“夏の甲子園”と呼ばれ、“夢の舞台”とされる日本全国高校野球選手権大会の決勝でも韓国語の校歌が鳴り響くことが期待される」(中央日報) 「京都国際高校の甲子園決勝進出は、スポーツの世界で時折起こる“マイノリティの反乱”であり、また韓日関係の興味深い断面と解釈され、日本のマスコミから格別の関心を集めている」(国民日報)