大混乱の自民党総裁選 本命と言われるが…小泉進次郎を待ち受ける「選挙後に"軽い神輿"は使い捨て」
進次郎氏による長期政権は、誰も望んでいない
「総理総裁になったら、できるだけ早期に衆議院を解散し、私の改革プランについて、国民の信を問うことにしたい」 【画像】すごい目ヂカラ…!出馬会見場を後にする「小泉進次郎」 小泉進次郎元環境相(43)は、9月6日に行われた出馬会見でこう、高らかに宣言したものの――政治ジャーナリストの角谷浩一氏は「総裁選に勝ってもその後が苦しい」と冷ややかだ。 「現在、自民党衆院議員の5割以上が地盤の脆弱な4回生以下の議員で、彼らにとっては二連ポスターに誰の顔が入るかが重要。目先の選挙を考えて進次郎氏に飛びつくはずです。本人が予告しているように、新総裁となってすぐ衆議院を解散すればご祝儀的に選挙には勝てるだろうが、来夏の参院選までには馬脚を露(あら)わす」 すでに「経験不足」を指摘されているが、通常国会を乗り越えられるかは未知数だというのだ。角谷氏が続ける。 「予算委員会では野党がエース級をぶつけてきて、国会で一対一の論戦となる。ここで経験不足が露呈するはず。能力不足がバレた後の参院選は悲惨な結果になる。衆院選で勝てても、参院選は下手をすると過半数を割り込むほど大敗するでしょう。すでに参院議員たちは『新総裁が進次郎氏ではかえって危ない』と不安視していますよ」 実際、自民党の中堅議員はFRIDAYに「予算を通した後、すぐ『進次郎おろし』が始まってもおかしくない」と耳打ちする。 「次の衆院選は裏金や旧統一教会といった、自民党が抱えてきた根深い問題が槍玉に挙げられる。負けを覚悟した戦いになるわけだ。『自民党が下野する』という状況を切り抜ける飛び道具がほしい。それが進次郎。つまり彼は選挙1回で″使い捨てられる″役回り。進次郎による長期政権は、誰も望んでいない」 ◆進次郎氏を支えるのは”長老たち”だが… 進次郎氏は「聖域なき規制改革」「自民党自身の改革」を1年以内に断行すると鼻息が荒いが、実行できるかは疑問符がつく。彼を担ぎ出し、支えているのが党の″長老たち″だからだ。 進次郎応援団の筆頭格は菅義偉前首相(75)。9月8日にJR桜木町駅前で行われた進次郎氏の街頭演説に駆け付け、「小泉進次郎さんに日本の舵取りを託したい」と発言している。 「今回、菅氏は上川陽子外務相(71)と加藤勝信元官房長官(68)に、足りなかった推薦人を手配している。決選投票で進次郎に票を回させるため、各陣営に恩を売っているのです。また、森喜朗元首相(87)が元清和会の議員を中心に進次郎氏のための票集めに腐心していると聞く。進次郎陣営は裏金問題のイメージが色濃く残っている清和会出身者が後押ししていると見られないよう、気を揉んでいるようだ」(前出・角谷氏) 現時点で「決選投票に進むのは確実」とみられる進次郎氏。そうなるとさらに、議員票を固めた長老たちに頭が上がらなくなるのは明白だ。 出馬当初は好意的に受け止めていた報道陣との間にも溝ができ始めた。 「件(くだん)の出馬会見では、出席者を事前登録して席まで決める徹底ぶり。質問も全国紙の記者を中心に指名していたため、『いい加減にしろ!』とフリーの記者から怒号が飛んだ。会見2日前には『30分後に選対事務所へ来てほしい』と各社キャップに非常識なメールを出して困惑させています」(会見の参加者) 政治学者の天川由記子氏も、「進次郎氏に政権運営ができるのか」と懐疑的だ。 「父親の支援のもと留学し、シンクタンクに入った後、帰国して父の秘書――という経歴です。自民党内では、世襲させるにしても別の議員の事務所で秘書をさせるという不文律があったが、それすら破っている。進次郎氏はこれまで全部、周囲にお膳立てをしてもらってきた。確固たる″国家観″もない彼に総理総裁が務まるとは思えません」 文字通り、「神輿(みこし)は軽くて使い捨て」となってしまうのか。 『FRIDAY』2024年9月27日・10月4日合併号より
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