オリックス・宮城、今や球界を代表する左腕 我喜屋監督が話す「琉球ジジイ」とは
これからも大きな花を咲かせるよう、根っこ(土台)を太くすること
宮城はオリックスの環境に恵まれ、自分のキャラクターを押し出しながら、メキメキと成長を見せ、今季は13勝を挙げ、リーグ優勝を経験。日本シリーズでは第2戦に登板した。普段から日本シリーズを見る我喜屋監督だが、いつもとは違う気持ちだった。 「僕は結果は聞くけど、1回から9回まで追うよう観ることはあまり無かったのですが、逆に言えば親の気持ちになればあまり観たくない(笑) 他の日本シリーズだったら観るんだろうけど、自分の教え子が出る場合は活躍できるんだろうかというヒヤヒヤしたものがありますから、後からどうだったと聞くことが多いです」 高卒2年目の投手がオリックスのエース・山本 由伸投手(都城出身)に次ぐ勝ち星、防御率を残し、堂々の新人王を獲得した。さらなる成長へ向けて我喜屋監督は教育者としてエールを送った。 「今年、新人王の資格があり、それを認めてもらったと自信を持ってほしいと思います。 ただし、来年も週刊誌やマスコミからの取材も含めて、あくまでも他人の期待と、自分のやるべきことを分けてほしいですし、ムードだけで迎えると落とし穴があるのは明らかですし、その罠にはまらないことですね」 野球人にとって人生で一度しか獲れない新人王は誇れるタイトル。ただプロ野球選手は1年1年が勝負。祝福ムードに終わらず、今季の反省を活かし、レベルアップを目指してほしい願いが込められていた。そして2022年。さらに厳しいマークを受けてプロ野球人生を過ごすことになるだろう。我喜屋監督は最後にメッセージを送る。 「興南の教え、前の宜野湾ポニーの教え、そしてプロでの教え。先輩たちの作ってきた成功体験、失敗体験を経て、彼も幅広く大きな人間になってもらいたいですし、その後にまた力と技術が付いてくると確信しているので、とにかく日々努力。 彼の『スコアボード』はこんなもんじゃないはず。 ずっとずっと続けられる、大輪の花が咲き続ける選手になってもらいたい。 そのためには人様には見えない根っこを太くすることですね。 新人王、リーグ優勝だとか今の宮城は満開が続いてますが、それは散っちゃいますから。それをカバーするには、根っこを太くすること。新しい芽が出てきて大きな大木になって枝も大きくなるはずです」 太く長く活躍する大投手になるには、常に謙虚であるのみ。自身が生きてきた環境から学んだ教えを着実に活かす宮城なら成し遂げられるはずだ。 (記事:河嶋 宗一)