木村一基九段、忘れられない公開対局の思い出「詰みを逃したら“俺でも詰むぞ!”とヤジが飛びまして。それは恥ずかしかったです」
◆忘れられない公開対局の思い出
岡野:「第2回達人戦 立川立飛杯」は公開対局となります。木村九段はこれまでにも公開対局をたくさん経験されていると思いますけども、対局室でおこなわれるものとは全然違うものですか? 木村:ファンの方がいらっしゃるところは違いますよね。ただ、始まってしまえば集中しますので、違和感なく対局することはできます。ただ、ミスをしてしまうってことがあるわけですね。 将棋で言うと、一番大きなミスは詰みを逃す、詰んでいる王様を詰まさずに逆転負けしてしまうことなんですけども、私はかつて公開対局の場でやったことがあります。そうしたら「俺でも詰むぞ!」とヤジが飛びまして。それは恥ずかしかったですねえ。 岡野:わりとお客さんはリアクションをされるのですか? 木村:基本的には進行の妨げにならないように、静かに観戦いただくほうがいいんでしょうけれども、まあ言いたかったんでしょう(笑)。 岡野:きっと応援していらっしゃったんだと思いますしね。 木村:「俺も必死で頑張ってんだよ!」と心のなかでは思っているし、声に出して言いたいですけど、うなだれるしかないです(笑)。 岡野:公開対局はお城で開催されたりと、いろんな場所でやりますよね。 木村:そうですね。あとは公開ですと、公式戦にはなりませんけれども“人間将棋”ですかね。そこはお祭りみたいな感じなので趣旨は変わってくるかと思いますが、楽しいイベントではありますね。 岡野:今回開催されるTACHIKAWA STAGE GARDENはコンサートホールのようなところで、ステージでスポットライトを浴びながらの対局となります。 木村:かなり広い会場だと伝え聞いておりますので、そこで指させていただくのはとても楽しみです。 岡野:「第2回達人戦 立川立飛杯」では、まずは佐藤康光九段との対局となります。木村九段、意気込みをお願いいたします。 木村:対戦成績はあまりよくないんですよね。ぜひ1局は勝ちたいと思います! 岡野:応援しております!