つぶやきで始まりつぶやきで終わったZOZOプロ野球新球団構想とは何だったのか?
「日本のプロ野球のビジネススタイルは、各球団依存の観客動員型から抜けだせないでいます。メジャーのように収支の構造を変えながら、リーグ全体の売り上げをアップさせるという方向には進んでいません。メジャーは、今季、観客動員が落ちていますが、ビジネススタイルが違うのでリーグ全体の経営に大きな打撃を与えるまでにはなっていません。しかし日本の場合、今のビジネススタイルが変わらない限り、いくら地域をキーワードにするとしても、まだ複数球団を増やすという環境にはないのかもしれません。このまま野球人口の減少が続けば、選手層、レベルをどう維持できるのかという問題も出てきます。14球団、16球団に増えてドラフト1位にふさわしいレベルの選手が14人、16人と揃わない状況になるとすれば、エクスパンションは、現実的ではないでしょう。ただ、この国は、今スポーツブームです。来年はラグビーのワールドカップがあり、再来年には東京五輪です。成否の評価は別にしてBリーグができ、Tリーグがスタートしました。ここ5年はブームが続くでしょう。ひょっとすると、その先に日本のスポーツ界、野球界が、今の環境ではなくなる可能性もあります。そう考えると前澤氏が、今回の教訓を生かして夢を持ちトライを続け、いろんなところに糸口を広げておけば、その先に再びチャンスが到来する可能性も否定できません」 2014年に“アベノミクス”の次なる成長戦略として自民党が政府に提案した「日本再生ビジョン」には「プロ野球16球団構想」が盛り込まれていた。残念ながら閣議決定には至らず、政府発表の新成長戦略からは外された。政治主導ではプロ野球界は動かないが、今後、なんらかの違った“圧”でプロ野球界のビジネスの仕組みや、従来の枠組みが破壊されれば、エクスパンションという考え方が浮上してきてもおかしくないし、経営者の入れ替えという激動が起きるかもしれない。 前澤氏はツイートをこんな言葉で締めくくっていた。 「夢は夢として諦めず持ち続けたいと思います」 前澤氏が“オオカミ少年”でなかったか、どうか、の真偽は今後の行動によって明らかになるのだろう。 (文責・本郷陽一/論スポ、スポーツタイムズ通信社)