かゆいところに手がっ!? ウエアの不満を解消したギアという発想 ヒョウドウ『イヴォーク』とは
まずはパッカブルの説明をすると、アウトドアの世界で定番になっているこの構造をイヴォークが採用した理由は、もちろん持ち運びを容易にするためです。つまりイヴォークを携帯、あるいは着用していれば、出先で遭遇する寒暖差にウエアの脱着で対応できるわけです。なお、休憩時や観光地などで頭髪についたヘルメットグセを隠すキャップ(ハット)も、パッカブルであることは同様です。 続いて自由な組み合わせの説明をすると、既存のヒョウドウ製アウタージャケットは、1着でいろいろな状況に対応……と感じることが多かったのですが、イヴォークはアウタージャケット/ミドルインナー/インナーシャツをあえて別売りとし、プロテクターをオプションとしています。その背景には、好みに応じて重ね着(レイヤード)というお洒落を楽しんで欲しいという意図があったのでしょう。 イヴォークのアウターに装着可能なバックボーン/ショルダー/エルボープロテクターは、既存の同社が使ってきた「D3O」ではなく、「RE ZRO」を採用しています。その主な特徴は軽さと薄さ、良好な通気性、環境を考慮した生分解性などですが、イヴォークでは折り畳みに対する強さも大きな美点になります。
既存製品の延長線上にあるイヴォーク
冒頭に記したように、私自身はイヴォークに対して、バイク用として特化した既存のライディングギアがあまり好みではないライダー用……というイメージを抱いていました。それが取材のために「ヒョウドウプラス浜松」を訪れ、実際にイヴォークの各製品を手にした現在は、既存のライディングギアに満足していたライダーにとっても、有効な選択肢になるような気がしています。 もっとも、改めて振り返るとヒョウドウは創業当初から、バイク用として特化したライディングギアに注力する一方で、普段着として使いたくなる製品も販売してきました。そういう姿勢で開発を行ってきたからこそ、新たな提案となるイヴォークが生まれたのでしょう。
中村友彦