ユネスコ無形文化遺産に登録「伝統的酒造り」 厳しさを増す業界環境 関係者が描く未来
日本酒ファンを増やす取り組みも
名古屋市守山区にある東春酒造。 創業は、江戸末期の1865年です。 「これ(登録)で1回、日本酒を手に取ってみようという機会になるのでは」(東春酒造 佐藤幸彦社長) 東春酒造では、年に数回、創業当時の酒蔵で日本酒を楽しめる講談やコンサートを開くほか、この時期は予約制で蔵の見学会を行い、日本酒ファンを増やそうと取り組んでいます。
ワイングラスにも合うと評判の日本酒も
さらに―― 「『ワイングラスでおいしい日本酒』で最高金賞を頂いた純米吟醸です」(佐藤社長) 女性ファンの掘り起こしに繋がっているというのが、ワイングラスにも合うと評判の、華やかな香りの日本酒です。 「お酒自体がそれほど甘いわけではなく、香りが華やかな分甘く感じる。なので飲んでもすっきり」(佐藤社長)
世界に認められた、杜氏の手しごとの技
酒蔵では、コメからの旨味がいきた、キレのいい味わいを目指して、昔ながらの手しごとで日本酒造りを続けています。 「硬さや柔らかさ、コメがちょっと割れていたりすると角が当たってチクチクするとか。いろいろ感じるものがあります」(東春酒造 杜氏 安藤辰弥さん) 杜氏の手しごとの技が世界に認められた、今回の無形文化遺産への登録。 杜氏の安藤さんは―― 「率直にうれしい。やっていることが評価というか、認められた感じがしてうれしかったですね。世界の人に日本酒を楽しんでもらえるようになればいいし、国内では日本酒離れが叫ばれているので、もう一回見直してもらって飲んでもらえるといい」(安藤さん)