植田日銀総裁、物価目標達成の確度高まれば追加利上げ検討-報道
(ブルームバーグ): 日本銀行の植田和男総裁は朝日新聞とのインタビューで、2%の物価目標達成に向けた「確度」がさらに高まれば、追加利上げを検討する考えを表明した。インタビューは3日に行われた。
その上で植田総裁は「夏から秋にかけて春闘の結果が物価にも反映されていく中で、目標達成の可能性がどんどん高まっていく」と述べた。利上げした場合でも「基調的なインフレ率の判断が2%を下回っている限り、金融環境としては緩和的であることが必要だ」とも語った。
植田総裁は、物価の現状について「基調的な物価上昇率」は2%に届いていないと説明し、高い賃上げ率が見込まれる今春闘の結果がこれから反映されると見込むとした。賃金と物価の好循環が実現する確度について、「(大規模緩和は)例えば75%になったので解除した。これが80%、85%になっていくなら、金利を動かす理由の一つになる」と語った。
日銀は3月の金融政策決定会合で世界で最後のマイナス金利を解除し、イールドカーブコントロール(長短金利操作、YCC)の廃止や上場投資信託(ETF)の新規購入停止なども決めた。市場では早期の追加利上げ観測も浮上している。
植田総裁は、過度な円安進行も、経済・物価に影響を与えるなら、追加利上げの判断材料になるとの考えを示した。「現状の為替についてはノーコメント」としつつ、「為替の動向が賃金と物価の循環に、無視できない影響を与えそうなら金融政策として対応する理由になる」と語った。
原題:Ueda: Rates Dependent on More Inflation Target Certainty: Asahi(抜粋)
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Alexander Pearson