エヌビディア半導体、予定変更でXに振り向け-マスク氏が報道認める
(ブルームバーグ): イーロン・マスク氏は4日、テスラでの利用を想定していた人工知能(AI)チップをソーシャルメディアのX(旧ツイッター)とAIスタートアップ、xAIに振り向けたことを認めた。発注した製品の送付先変更と、テスラの調達計画に疑問を投げかける米エヌビディアの社内メールの両方について説明した。
テスラの最高経営責任者(CEO)を務めるマスク氏はXに掲載した一連の投稿文で、同社にはエヌビディア製チップを利用できるように送付する場所がないと指摘した。
経済専門局CNBCは先に、マスク氏はテスラで使用する予定だったエヌビディアのGPU(画像処理半導体)「H100」1万2000個をXに振り向けたと、昨年12月のエヌビディアの文書を引用して報じた。CNBCの報道を受け、テスラの株価は通常取引で一時1.3%下落した。
テスラ株下落、マスク氏がエヌビディア半導体をXに振り向けと報道
CNBCが確認した4月下旬の別の電子メールでは、マスク氏がテスラの1-3月(第1四半期)決算に関する電話会見とXで行った説明内容が同社のエヌビディアへの製品予約と矛盾していると、エヌビディア社員が指摘した。
マスク氏は4月23日の電話会見で、同社が保有するH100、約3万5000個が利用されており、年末までに約8万5000個が使用される見込みだと述べた。同月28日には、テスラが今年約100億ドル(約1兆5500億円)をAIに投じるとXに書き込んだ。
4日の投稿文でマスク氏は、テスラが今年AIに支出する全資金をエヌビディアが把握できるわけではないと示唆し、支出の約半分は社内向けになると説明した。テスラは自動運転技術開発に向けた幅広い取り組みの一環として、独自のスーパーコンピューターの開発に取り組んでいる。また自社の自動車製品向けにセンサーも調達している。
同氏は「テスラのエヌビディア製品購入について、私の現在の予想は今年30億-40億ドルだ」と書いている。