「テルマエ」原画や志の輔さん肖像画、ヤマザキマリの世界堪能 南砺・福光美術館で企画展開幕
代表作「テルマエ・ロマエ」などで知られる漫画家、ヤマザキマリさんの画業を紹介する企画展「ヤマザキマリの世界」が14日、南砺市福光美術館で開幕した。画家や著述家の顔も持つヤマザキさんの多彩な作風や豊かな表現力を伝えている。10月28日まで。 古代ローマから現代の日本にタイムスリップした浴場設計技師を題材にした人気作「テルマエ・ロマエ」の原画30点をはじめ、デジタル原稿や原画をプリントした原画パネル、油絵など262点を展示した。 開会式後、小森紀歌(のりか)学芸員が作品を解説した。イタリアの美術学院で油絵を専攻したヤマザキさんは、肖像画が得意だと説明。CDジャケットに採用された山下達郎さんや、落語家の立川志の輔さん(射水市出身)の肖像画について、「明暗はっきりさせた描き方で、緻密に顔を表現している」と紹介した。 下絵や彩色といった漫画の制作過程を紹介した展示などもあり、来場者が世界観に浸った。井波美術協会長の野村光雄さん(61)は鉛筆によるデッサンを目にし、「基礎的なデッサン力が素晴らしい。それが漫画に生かされているのだと感じた」と話した。 ヤマザキさんが同市福光地域ゆかりの板画家、棟方志功のファンであることから、同市で開催中の棟方まつりに合わせて開いた。北日本新聞社共催。