社会保険の壁「106万円の年収の壁」がなくなると“手取り”は増える?減る?新たな「週20時間の壁」とは…【年収シミュレーション】
■【年収シミュレーション】「106万円の年収の壁」なくなったら?新たな「週20時間の壁」とは… 仮に社会保険の賃金要件がなくなった場合、「106万円の年収の壁」がなくなることとなります。 つまり、年収が約106万円(=月額8.8万円)にぎりぎり満たない場合であっても、条件にも依りますが、社会保険料は月に約12,500円、年換算では15万円前後かかることになり、手取り額に大きく影響することになります。 一方、社会保険への加入により、将来の年金の上乗せや傷病手当金・出産手当金など、メリットもあります。 現時点で決まったことがあるわけではありませんが、就業時間の要件がそのままで、賃金要件だけが変更されるのであれば、社会保険料の負担を回避するために、あえて週の就業時間の要件を満たさない範囲(週20時間未満)で働くように就業調整が進むなど、結果的に人手不足の解消に寄与しない可能性もあります。 例えば、あくまで概算ですが、最低賃金が1,163円の東京都の場合、週16時間勤務であれば、就業時間要件にもかからず、かつ、税制上の「年収100万円の壁や、年収103万円の壁」にもかからず働くことが可能です。 ▼社会保険の負担【要】住民税や所得税の負担【要】 1,163円 × 週20時間 × 年52週 = 約121万円 ▼社会保険の負担【不要】住民税や所得税の負担【要】 1,163円 × 週19時間 × 年52週 = 約115万円 ▼社会保険の負担【不要】住民税や所得税の負担【不要】 1,163円 × 週16時間 × 年52週 = 約97万円 ※あいテレビによる概算です。 ただし、上記の前提条件のもと、特定扶養控除などを気にする必要がないのであれば、社会保険料の支払いに比べて住民税や所得税の負担は少ないため、週19時間勤務で年収が約115万円と、手取りを大きく減らさずに働く「新たな選択肢」にもなりえます。 私たちの生活と切り離せないお金の話。今後の議論の行方が注目されます。
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あいテレビ