何度も泣かされた“あと2cm” 走高跳・髙橋渚を本気にさせたパリ落選「絶対に世界に出たい」【東京世界陸上】
11月からの冬季トレーニングは、男子大学生らに混じって行う”持久力向上”をメインとしたトレーニング。髙橋の苦手分野ということもあり、「練習が怖い」と話す。しかし、このトレーニングをバネにしようとしているのも確かだ。 「多分相当きついんだろうなって思いながら準備してます(笑)だけど、きつい練習をしてそれを自信に試合をしたいので。もう食らいついて、こんなにきつい思いないってくらい、きつい思いをしながら、今年は気合いが違うってところを見せられるように冬頑張ります」 パリ五輪女子走高跳で金メダルを獲得したウクライナのY.マフチフ(23)が24年7月に37年ぶりとなる世界新記録(2m10)更新を果たした。世界では成長を続けている女子走高跳。そうした世界の強豪たちと戦う上で、全く弱気にならないのが、髙橋が成長した部分だ。 「何回か試合で一緒だったら、日本の選手って最近出ていないので印象に残るじゃないですか。でも1回じゃ全然覚えてもらえないので、何回も試合して覚えてもらえるようになりたい。そのために(世界に)行ってあの時一緒だったんだよって言えるように、頑張りたいなと思っています」 日本の女子走高跳の選手が世界大会に出場すれば、11年ぶりとなる。髙橋が狙うのは、”1m90を跳んで世界陸上に出る”、だけではない。 「今年以上を出すこと、1m90を跳んでもう1段階上の自分で揃えないと(世界陸上に)行けただけで終わっちゃう。出れただけじゃ面白くないんで、そこで決勝に進むためには1m90を跳んで、それを(確実に)跳べる状態で絶対に迎えたい。シーズン前半がすごい鍵になる」 挫折を味わった日本女子走高跳界のエースは、一皮も二皮も向け世界に出る準備を進めている。最後に髙橋が笑顔で語ったのは、1年後、大舞台で戦う自分を想像した姿だった。 「楽しみです、どうなっているか。全然今とは違った何段階も上の私で頑張っていると思います」
■髙橋渚(たかはし・なぎさ) 東京都出身。2000年1月15日生まれ。173cm。自己ベスト:1m88 走高跳との出会いは中学校の体育の授業。当時はバドミントン部に所属していたが、部の活動が落ち着いたタイミングで陸上部顧問から誘われた区大会、都大会と続けて優勝した。高校で本格的に陸上を始めるため強豪の東京高校に進学。高校3年時の全国高校総体で優勝、日本大学に進学後も成長は止まらず日本選手権で上位に入賞。22年から日本選手権3連覇と日本では敵なしの状態。社会人2年目の24年にセンコーに入社。
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