指揮官も絶賛のキャプテンシー、掛川西が主将の活躍で春王者・加藤学園を破り決勝進出【24年夏・静岡大会】
<第106回全国高校野球選手権静岡大会:掛川西6―3加藤学園>◇27日◇準決勝◇静岡草薙球場 【トーナメント表】静岡大会 準決勝までの結果一覧 今春の県大会で2年連続優勝を果たした加藤学園。夏の甲子園出場はまだないが、米山 学監督が就任して以降、着実に結果を残せるようになってきている。 今年は、誰が突出しているというワケではないが、豊富な投手陣でシード校として、ここまで順調に勝ち上がってきている。 掛川西は、県西部地区を代表する伝統校であり、甲子園出場実績もあるのだが、近年は春季東海大会での優勝こそあったが、夏の大会はベスト4~8というところで敗退していくというケースが多かった。OB含めて、周囲の期待も大きいだけに、久しぶりに県の頂点を獲りたいところだ。 この両校は、今春の県大会でも3回戦で対戦している。その時は加藤学園が前半にリードして、継投で逃げ切り6対2で勝利している。その再戦でもある。掛川西の春の雪辱への思いが、最後は加藤学園を優ったとも言えようか。 昨秋は地区予選の初戦で敗退して県大会に進出することすらできなかった掛川西。大石卓哉監督は、「昨年の秋は選手たちも口惜しい思いもしたと思います。その後は夏を目指して体力作りも含めて、厳しいトレーニングも課してきました。それに選手たちも、山下 陸人主将(3年)を中心としてよく頑張ってくれました。このチームは、一番早くグラウンドに出てきて最後までグラウンドにいるという山下あってのチームだともいえるチームです」と、山下主将を称えた。 2対2の同点で迎えた5回、掛川西は一死二塁で5番の山下主将に回ってくる。ここで、思いを込めて右中間へ二塁打を放ちリードする。加藤学園の米山監督は、ここで先発の小澤 亨彦投手(3年)を一塁へ回して、山田 晃太郎投手(2年)を送ったが、掛川西は暴投と2回途中からリリーフして8番に入っていた増井俊介投手(3年)の安打で2点目を奪った。 8回にも掛川西は一死から4番堀口泰徳選手(3年)の三塁打や山下主将のタイムリー打などでさらに2点を追加。試合の流れからも、この回の2点は決定的となった。 それでも、加藤学園はその裏に1点を返し、9回も二死満塁と攻めた。しかし、最後は掛川西の3人目の1番をつけた髙橋郁真投手(3年)が投げ勝つ形となった。 大石監督は、「このチームは、山下のキャプテンシーにつきます。私も彼についていっているくらいです(笑)」というくらいに信頼は厚い。その山下主将は、「今まで自分が、大事なところ打てなくてチームには迷惑もかけていたけれども、今日は絶対に返してやるという思いで打席に入ったのがよかった。決勝も意識せずに、自分たちの野球をやり続けていきたい」と、決勝へ向けての思いも語っていた。 加藤学園の米山学監督は、「選手たちは、よくここまでついてきてくれたとは思います。ただ、この試合に関しては、前半にもう少し畳みかけていかれれば、また違った展開になったかなぁとは思います」と、チャンスが続いた前半の攻撃で1点ずつしか取れなかったことを残念がっていた。それでも、「壁は厚いし甘くはないと思いますが、また、もう一つ上を目指して頑張っていきたいと思います」と、先を見据えていた。春季大会は2年連続で優勝を果たしたものの、「やっぱり。夏は違います」と、夏の戦いの厳しさもしみじみと実感していた様子だった。